「GPAが低いと就活に影響するの?」
「就活とGPAはどのくらい関係あるの?」
と気になっている就活生も多いのではないでしょうか。就活をしていく中で、GPAによる内定への影響や関係性は気になりますよね。
GPAは就活において一定の重要性がありますが全てではなく、ほとんどの企業が就活では人物面を重視する傾向にあります。ただし、企業によってはGPAを重視する場合もあるため、自分が志望する企業の採用情報を確認し、応募条件に合わせた対策をすることが大切です。
この記事では、GPAの影響力やGPAが低くても内定をもらう方法を解説しますので、GPAが気になる人はぜひ、参考にしてみてください。
GPAについておさらい
GPAとはGrade Point Averageの略で成績の平均点を指し、海外の学校で卒業や留学などの資格を満たすかを判定するために使われている制度です。
学生の成績を数値で判断することができるため、企業が新卒の就活生に対し内定を出す判断材料のひとつとして就活に影響することがあります。大学で取得した単位数とその成績に基づいて算出され、GPAが高いほど成績がよいということです。
GPAの計算方法やどのくらいが基準なのかを見ていきましょう。
GPAの計算方法
GPAを計算するためには、まずグレードポイント(GP)を算出します。
一般的な算出方法は次の通りです。
- 授業科目ごとの成績を5段階程度で評価
- それぞれの段階に対して0〜4点のGPを付与(表1)
- 計算式に当てはめてGPAを算出
成績 | 評価 | GPA |
---|---|---|
90〜 | A | 4 |
80〜89 | B | 3 |
70〜79 | C | 2 |
60〜69 | D | 1 |
0〜59 | E | 0 |
計算式:GPA=(GP×単位数)の総数÷履修登録をした総単位数
たとえばGPが4を2単位、3を2単位、2を2単位の場合だと総単位数は6となり、計算式は以下になります。
(4×2+3×2+2×2)÷6=3なので、GPAは3
大学のシラバスにはGPAの計算方法が記載されているため、確認しておくとよいでしょう。
GPAの平均
自分のGPAが全体のどのあたりなのか気になる人もいるのではないでしょうか。一般的に、GPAの平均値は以下のようになっています。
- 3.5〜:かなり優秀
- 2.9〜3.4:優秀
- 2.4〜2.8:平均
- 0〜2.3:勉強不足
ただし、授業の難易度や教授の点数の付け方で変わってきます。大学によっても内容が変わってくるため、同じ大学の同じ学部、同じ教授における比較には適した指標となりますが、他の学部などとの比較には適していません。
そのため、参考程度と考えましょう。
GPAの設定は大学によって異なる
GPAは受講した全ての成績を数値化し平均しますが、算出方法については、それぞれの大学によって異なります。成績によって換算されるポイントがそれぞれの大学で異なり、同一基準ではありません。
そのため、大学によってGPAが「3以上」でも平均の場合もあれば「2以上」で上位グループに入る場合もあります。また、教授によって成績の判断基準も異なるため、他の大学とのGPAの取得点数を比較してもあまり意味がありません。
就活では影響しない
GPAの評価が選考にどの程度影響するのか気になるのではないでしょうか。
結果からいうと、GPAによる評価を求める企業の割合はかなり低いため、就職にほぼ影響しません。その理由を解説します。
GPAと仕事には相関関係がないため
たとえGPAが高い就活生でも、自社にマッチしているかどうかはわかりません。そのため、企業は面接やエントリーシートなどで、実際に就活生の適性を確認し、企業とマッチしているか判断する必要があります。
さらに、文部科学省の調査結果でも、企業などから提出を求められるからGPAの導入を行ったという大学は14.9%しかありません。つまり、企業もGPAをそこまで重要視していないのです。
GPAの評価基準が異なるため
GPAは、同じ大学内での学力を知るためにはとてもよい判断材料となります。たとえば、大学院に入学する基準は3以上が必要という決まりや、奨学金を申請するために必要な条件は2.5以上などと設定される場合もあります。
このように、大学によって多様な形で参考にされています。しかし、大学のレベルや学部、理系文系によっても評価評価基準が異なり、その大学内の評価しかわからないため就活生同士の比較がしにくいのです。そのため、採用の基準になりにくくなります。
企業の多くはポテンシャル採用のため
就活において、企業は就活生の学力やスキルよりも、将来性や成長潜在性を重視して採用しています。特に新卒に対しては、経験やスキルが十分に備わっていない場合が多く、ポテンシャル採用が一般的です。
ポテンシャル採用の場合、人物像や考え方を評価することが重要となります。そのため、企業側は面接やグループディスカッションなど、選考方法に工夫を凝らし就活生の人柄や意欲、コミュニケーション能力などを見極めるのです。
このように、ポテンシャル採用では就活生の過去の実績だけでなく、その人が今後どのように成長する可能性があるかを評価し、採用する人材を決定します。
適性検査の方が能力を判断しやすいため
「成績が良い=仕事ができる」とは限りません。たとえSPIが1点台や2点台でも、適性がある人の方が活躍できます。
そのため、採用試験においては、SPIなどの「適性検査」を実施している企業がほとんどです。その結果から就活生の能力や性格を把握したり、入社後の配属先を決めたりするための情報として活用しています。
たとえば、マーケティング担当者には分析能力やクリエイティブ性が必要ですが、営業担当者にはコミュニケーション能力や交渉力が必要になります。このように、性検査は、面接や履歴書では判断できない部分をカバーするため、より正確な採用判断を下すことができミスマッチを防ぐのです。
外資系はGPAを重視する企業が多い
外資系企業は日本の企業と異なり、求める人物像が異なることがあります。
- 論理的思考ができるか
- 業務を効率化する発想力があるか
- 迅速&良質な仕事をこなす集中力があるか
このような人物を求めるケースが多く、学力が高い人にこのような能力が備わっていることが多いと考えられている傾向があります。そのため、GPAを重視する企業が少なくありません。
ただし、外資系企業であっても、GPAが低いからといって、絶対受からないとは限りません。なぜなら、先ほど解説したように大学ごとに算出方法が異なり、成績の評価基準も大学によりさまざまなため、絶対的な判断基準にはならないからです。
就活でGPAを提出する理由は?
就活では、GPAを内定の判断基準にしている企業は少ないにもかかわらず、なぜGPAの提出を求める企業があるのでしょうか。
それにはいくつかの理由があります。
履修科目の確認
GPAは、これまで何を学んできたかの履修履歴です。これまでにどのような科目を選択してきたかを確認できれば、どのような分野に興味を持っているのかがわかります。
履修履歴をもとに「なぜこの分野を選んだのですか」という質問をすることで、価値観や学業への取り組み方を見られることも少なくありません。このように、GPAを就活生の人物像を知るためのツールとして使う目的もあります。
真面目に学業に取り組んでいたかの確認
GPAはこれまでの学業の成績証明書です。つまり、GPAを見れば勉強に取り組んでいた姿勢が読み取れるため、真面目に取り組むことができるかの判断材料のひとつにもなります。
たとえば、GPAが高い人はきちんと勉強に取り組んでいると判断され、真面目に仕事もこなすことができるという印象を与えアピールにつながることもあります。このように、GPAを見ることで、取り組む姿勢を判断されることも少なくありません。
ただし、GPAは高い方が良いからといって嘘をつくと成績証明書の提出を求められた場合、バレる可能性があるため避けましょう。
卒業できるかの確認
意外に思うかもしれませんが、就活生が内定承諾後に卒業できないことが判明し、内定を辞退するパターンは少なくありません。
そのため、卒業できるかを確認するためにGPAの提出を求めることがあります。新卒の採用には費用や時間がかかります。せっかく内定者を出したのに、その内定者が卒業できなければ、企業にとっては大きな損失です。
就活でGPAが低くても内定をもらうコツ
GPAを重視しない企業が多いとはいえ、GPAが低くて不安という人もいるのではないでしょうか。GPAは入学してから受講した全科目の平均値のため、今から上げるのは難しいですよね。
ここからは、GPAが低くても内定をもらうための対策について解説します。
学業以外の経験やスキルをアピールする
GPAが平均より低くて心配だという人は、学業以外の経験をアピールすることが有効です。勉学以外に打ち込んだことがあれば、GPAが低くても印象が悪くなることはありません。
サークル活動やボランティア活動、アルバイトなどに打ち込んでいれば、取り組んだ姿勢をガクチカとしてアピールできれば評価してくれる可能性があります。また、資格取得などもスキルを十分にアピールできるため、GPAが低いことはそれほど問題にはなりません。
企業が求める人物に近づける
企業が求める人材は入社後に活躍してくれる人です。そのためにはまず、企業がどのような人材を求めているのかを分析し、企業が求める人材に合わせたアピールを行うことが重要です。
企業研究のポイントは、業界全体を徹底的に分析することです。業界の特徴や強みを知ることで、自分の持つスキルや経験をどのように活かせるかを考えることができます。
また、企業が抱えている課題や取り組みを知り、自分自身がその企業で働くことでどのような貢献をすることができるかなども伝えられれば好印象です。
適性検査対策をしっかり行う
GPAが低すぎることをカバーするためには、適性検査で高得点を取れるようにすることが大切です。GPAが低すぎると学力がないのではないかと評価される可能性もあります。
そのため、SPIなどの適性検査でハイスコアを取れば、学力が足りていないというイメージの払拭につながります。適性検査は問題集などを繰り返し練習することで解けるようになるので、GPAが低くて困っている人は、適性検査で高得点が取れるように練習しましょう。
GPAにこだわりすぎない
GPAが高く、頭が良いだけの人材に魅力を感じる企業はほとんどありません。なぜなら、たとえ学力があっても、企業で活躍してくれなければ意味がないからです。
そのためには、自己分析をしっかりと行い、企業から「会ってみたい」と思われるようなESの作成や「一緒に働いてみたい」と思われるような面接の練習が重要です。自分の強みを生かした自己PRを行えば、あなたの魅力が伝わります。
あまりGPAばかりにこだわらず、ガクチカのエピソードをアピールしましょう。
就活エージェントを利用する
GPAが低く自己分析も苦手で不安な人は、就活エージェントの利用をおすすめします。就活エージェントは、客観的にあなたを分析し、どの業界が向いているかなどの就活に関係するアドバイスを無料で受けられます。
また、面接対策やES作成、自己PRの支援をしてくれることも特徴です。一人で悩んでいても解決しないので、プロに相談することでGPAが低くても内定がもらえる支援を受けましょう。
まとめ
GPAは就活で提出することがあるため、もちろん高い方が良いに越したことはありません。現時点では、就活の際にGPAを重視する企業は少ないですが、 今後はGPAを重視する企業が増えてくる可能性もあります。
外資系や大手企業などの一部では、GPAを重視する企業が存在するのは事実です。そのため、学業は疎かにはできません。
しかし、GPAの高さだけで合否が決まることはないので、企業に合わせた就活対策と準備をしっかり行いましょう。徹底した自己分析と業界企業研究で、企業の求める人物像にあうような自己アピールをすることで内定をもらうことは十分可能です。