就活で作文の試験があるとき、どう書いたら良いのか悩む就活生も多いのではないでしょうか。たしかに、試験の作文は時間も足らず、書き方もわからないですよね。
特に、文章が苦手な就活生にとっては、難しく感じてしまうかもしれません。そこで、今回は就活の作文を書くときのポイントと注意点を紹介します。この記事を読めば、企業が求める内容の作文を書くための対策がわかり、自信を持って就活の作文を書けるようになりますよ。
文章力をつけるコツも解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
就活での作文の書き方ポイント7選
就活で企業からテーマを出された作文を書くときは、高校生の授業で教わったような書き方とは全く異なります。就活の作文試験は、結論がわかりやすく面接官の印象に残りやすい書き方をすることが重要です。
書き方のポイントを7つ解説します。
指定文字数に対して、8割以上を埋める
作文試験の設問では「400文字で書くこと」など、具体的に文字数が制限されていることが一般的です。できるだけ多く書いたほうが好印象だと思い、小論文のように800字(原稿用紙で2枚程度)くらい書く人もいますが、逆に印象が悪くなります。
なぜなら、企業が文字数を指定する理由は、指定した文字数で的確に内容を伝えることができるかを確認したいからです。
文字数の目安は多すぎず少なすぎず、指定文字数の8割以上を埋めることを心がけて書くようにすれば構いません。
それよりも、どのような要素を入れた構成にするかが大事です。
就活試験の出題テーマを選んだ企業の意図を考える
就活での作文試験の出題テーマは、自由形式ではなく企業が知りたいテーマになっているケースがほとんどです。たとえば「学生時代に力を入れたこと」がテーマだった場合、力を入れた結果よりも過程や結果から学んだことを知りたがっています。
企業研究を行い、どのような人物を求めているのかをリサーチしておくことで、求められる人物に近いエピソードを思い浮かべやすくなります。企業に意図に沿った内容の作文を書けば好印象です。
主張を明確にし、結論から書く
就活の作文試験は書き方にルールはありません。はじめに主張したいことを述べることで、伝えたいことが明確になるため、読みやすい文章にするには結論から書くことがポイントです。
また、なぜそう思うのか具体例やエピソードを添えましょう。書き方としては、主張、理由(根拠)、具体例(エピソード)、まとめの順番で書くと説得力のある作文になるコツと言えます。
真実を簡潔に書く
作文の内容で評価が変わるからといって、話を盛るのは良くありません。話を盛っても面接で深掘りされたら必ずわかるため、自分が経験したことや感じたことなど、事実に基づいたことのみを書きましょう。
また、文字数を増やすために質問されていないことまで話を展開してしまうと、質問の意図が理解できない就活生と思われる可能性があります。そのため、質問の意図に対して真実を明確することが書き方のコツと言えるでしょう。
最初に文章の構成を考える
就活の作文には次の3つの要素が必要です。
- 主題を明確にするための序文
- 論点を展開する本文
- 最後にまとめる結論
構成を先に考えることで、主題に対しての思考が整理され、スムーズな論理展開が可能です。
さらに、文章に一貫性を持たせ、文章の中での矛盾や展開が急転することを避けることができるため、まずは構成から考えましょう。
時間配分を考える
就活の作文試験でよくある失敗は、序盤で時間を取られて時間がなくなってしまうことです。たとえば、まだ半分しか書けていないのに、時間が5分しか残っていないということも少なくありません。
時間がなくなり最後に適当な文章を書いてしまわないように、何分までに何割書くかをあらかじめ決めて対策しておきましょう。
強みなどの自己PRはエピソードを添える
自分の強みなどには根拠となるエピソードを添えるとアピール力が高まります。強みだと思う理由や背景について、根拠となる具体的なエピソードまでしっかり書くと説得力が増す有効な方法です。
ただし、エピソードがうまく伝わらない場合や、エピソード自体が重要でない場合は、逆にマイナスになることもあります。したがって、エピソードと理由をしっかり結びつけることが重要です。
作文を書く時に注意すべきこと
就活の作文は基本を押さえて書くと読みやすい文章を作れます。作文を書くときの注意すべき点を解説します。
丁寧な字で書く
企業の採用担当者は、文字が丁寧に書かれているかどうかも見ています。たとえ内容が良くても雑に書かれた文章だと悪い印象を持たれることが少なくありません。
字の上手さではなく、相手に読んでもらう文章だという意識を持って丁寧に書く対策をしておきましょう。
タイトルと内容が一致しているか
文章を書いているうちに、だんだんタイトルとは違った内容になってしまうことがあります。企業の採用担当者はタイトルに示されたテーマに基づいて、作文の内容を想像します。
そのため、タイトルと内容が一致していない場合にはマイナスの評価を受けることがあります。タイトルは作文の主題やアイデアを簡潔に伝えるためのものであり、作文の内容を反映するように工夫する必要があります。
タイトルと内容を一致させるためには、見直してタイトルを修正するか、作文の内容を変更することが必要です。
文体が統一されているか
文章を書くにあたって、文体を統一することは必須です。文体が統一されていないと、文章が読みにくくなるため、作文を書く時は、「だ・である調」や「ですます調」に必ず統一しましょう。
一般的には「ですます調」で書くことが多い傾向です。ただし、企業から文体の指定がある場合は指定に従って書かなければなりません。
誤字脱字がないか
就活では作文に限らず、ESやメールなども同様に誤字脱字には気をつけましょう。社会人になってからは誤字脱字があると信頼を失う可能性もあります。
このような理由から、就活の作文試験で誤字脱字が多いと「正確性に欠ける人」という印象をもたれ、印象が悪くなることも少なくありません。必ず最後に見直す癖をつけて、誤字脱字を防ぎましょう。
漢字を使いすぎていないか
文章力はもちろんですが、読みやすいかどうかはとても重要です。
たとえば、
- 「宜しくお願い致します」
- 「よろしくお願いいたします」
はどちらも間違いではありません。漢字で書かないと、教養がないと思われてしまうのではと感じる人もいますが、ポイントは読みやすいかどうかなので後者の方が読みやすいと言えるでしょう。
一文が長すぎないか
伝えたいことが多すぎて、一文が長くなることがありますが、情報を詰め込みすぎると文章が読みにくくなります。企業の採用担当者は、多くの作文を読まなければならないため、読みにくい文章だと最後まで読まれない可能性があります。
長くなることを避けるためにも一文の長さを40〜60文字程度にすることを心がけましょう。
主語と述語がねじれていないか
書いた文章を読み返したとき違和感があれば、文章がねじれてしまっていることが少なくありません。文章のねじれとは、「私の夢は医者です」という主旨を伝える際に「私の夢は医者になりたいです」と伝えてしますと、主語と述語の関係がおかしくなってしまっていることです。
文章がねじれてしまうと読み手は非常に読みにくい印象を持つため、主語と述語の関係を意識して書いて避けるようにしましょう。
就活でよく出るテーマ3選
就活の作文試験で出題されるテーマとして、以下の3つがよく出る傾向です。よく出るテーマを参考にして、一度書いて練習してみると良いでしょう。傾向を知ることで対策もしやすくなります。
仕事に対する考え方
就活の作文試験の中で最も出題傾向が高いテーマです。就活生が「仕事についてどのように考えているか」を知ることができるので、企業は求める人材像に近いかどうかの判断をしやすくなるためです。
就活の場で出題される具体的なテーマとしては次のようなものがあります
- 私にとって仕事とは
- 入社したらやってみたいこと
- 自分が会社に貢献できると思うこと
志望動機や自己PRにも通じる部分なので、就活生にとって比較的書きやすくライバルに差をつけやすいテーマです。
価値観について
就活生の価値観も企業が知りたいことのひとつで、重要な選考基準です。どんなに優秀な人材であっても、企業の価値観と異なる価値観をもった人材とは一緒に働くことが難しいと判断されます。人柄を重視する企業に出題される傾向があるテーマです。
就活の場で出題される具体的なテーマとしては次のようなものがあります。
- 学生時代に力を入れたこと
- 今までで一番感動したこと
- 失敗から学んだこと
実際に自分が体験したことなので、書きやすいテーマではありますが、企業が求める人材にマッチしているかどうかが重要です。そのため、志望企業がどのような人材を求めているかを事前に調べておくのも対策の1つです。
将来のビジョンについて
入社後の行動や、将来を見越しているかを知るために、出題する企業も多くあるテーマです。今の自分を分析して、仕事だけでなく将来の自分に意欲をもって行動できるかどうかが問われます。
就活の場で出題される具体的なテーマとしては次のようなものがあります。
- 10年後の私
- 将来の夢
- 入社後の目標
面接でも聞かれる内容なので、自己分析をしっかり行っておくことが必要です。
作文力をつける方法
作文に自信がない就活生は過去問の例文や、テーマを自分で決めて繰り返し書いてみることが一番の対策方法です。最後に、作文力をつける方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
本や新聞を読んで読解力を高める
書くことも大切ですが、読解力を高めることも作文力を上げるためには有効です。通勤の電車の中やちょっとした空き時間に本を読むなど、文章に触れる機会を増やしましょう。
読書によって、文章の構成や表現方法を学べます。特に、新聞は社会問題などを面接で質問されることも多いため、ニュースなどを読んでおくと役に立つことも少なくありません。
時事問題の中からテーマを決めて書いてみることもおすすめです。
いろいろな文章に触れて使える表現をストックする
就活の場合は、エントリーシートや面接対策など、特定の形式に合わせた文章を書くことが必要になります。そのため、同じような形式の文章を多く読み、表現方法を学ぶことも重要です。
ただ単に表現をストックするだけではなく、その表現がどのような場面や文脈で使われるのか、適切な使い方を学ぶことが大切です。たとえば、同じ意味でもビジネスシーンとカジュアルな場面で使われるのかによって、適切な表現が異なってきます。
表現をストックすることは大切ですが、適切な場面で適切な表現を使えるよう、その表現を使う場面や文脈を理解することも重要です。
積み重ねが大事
継続的に文章を書くことで作文力は向上するため、毎日少しずつでも良いので、文章を書く練習を続けましょう。書いているうちに自分なりのパターンができ、どんなテーマにも対応できるようになります。
ただし、単に量を重視するだけでなく、質にもこだわることが大切です。
毎日必ず文章を書くことで量は確実に積み重なっていきますが、同時に、書いた文章を振り返り改善点を見つけ、質を高めましょう。
テーマに沿って書く練習をする
作文対策をするためにはテーマに沿って書くことが大切です。新聞や本などで読解力や表現力を高めると同時に書く力も身につきます。できれば、テーマは、志望企業の過去問の例文を参考にすることがおすすめです。
過去に出題された例文を参考にすることで、企業が作文から何を知りたいのか、どのようなことを伝えるべきかがわかります。
第3者に添削してもらう
自分で書いた文章を他の人に読んでもらい、フィードバックをもらうことも効果的です。自分では気づかなかった誤字や表現方法の問題点を指摘されることで、改善点を見つけることができます。
大学によっては、作文添削してくれることもあるので相談してみるとよいでしょう。
まとめ
作文のポイントとして7つを解説しました。就活でよく出題されるテーマをもとに、時間配分を考えながら練習することで確実に作文力は高まります。
作文を書くときは最低限「タイトルと内容の一致」や「文体の統一」「文章のねじれ」を意識すれば読みやすくなります。作文力をつけるために、普段から本を読むなど文章に触れ、練習で書いた文章を第3者に添削してもらうなどすればさらに効果的です。
就活において作文は非常に重要な選考基準のひとつです。特に、マスコミや新聞社などは文章力を重視する傾向があります。記事で紹介したポイントや注意点、作文力をつけるコツを参考にし、効果的な作文を書けるようになりましょう。