就活を有利に進めるならTOEICを受けたほうがいいと考えている就活生も多いのではないでしょうか。ただ「TOEICって800点以上ないとアピールできない?」、「TOEICの点数って就活で必要なの?」等、疑問に感じることもあるでしょう。
就活において英語力をアピールするにはTOEICの点数を取っていることが重要です。
高スコアを取っていることで語学力のアピールだけでなく、学生時代の頑張りとしてアピールすることができます。
就活生の無料相談支援を行っている「JOBマッチ」を担当している私がこの記事を担当し、730点以上?800点以上?など何点からがアピールに繋がるのかなどの疑問点も解説します。
この記事を通じて就活の成功を勝ち取るために、TOEICの重要性を理解しましょう。
就活でTOEICが必要とされている理由
TOEICを実施している一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が2019年に行った「英語活用実態調査」によると、企業・団体の約5割が、TOEICのスコアを採用時に参考にしていると回答しています。
国内では、人手不足が顕著になり、外国人材を活用する企業が増えてきています。
さらにインバウンドによる外国人旅行客が増加し、英語のスキルが求められる場面が多くなりました。
また、少子化による人口減少などの理由から、日本国内で市場を広げるのが難しくなり、企業も海外進出に積極的になってきています。
このようなグローバル化に対応するため、業務で英語を使用する企業も増えており、新入社員にも英語のレベルを求めるようになりました。
そのため、英語力をアピールする指標として、多くの国や企業・団体で活用されているTOEICが就活でも重要視されているのです。
英語のテストとして認知度が高い
英語のテストはTOEIC以外にもTOEFLなどがありますが、TOEICは160か国、約14,000の企業団体で活用されており、国内では、2,900以上の企業・団体で活用されています。
そのため、非常に認知度が高く、世界に通用する英語力をアピールすることができるのです。
英語力がスコアで出る
英検等の資格試験は、合格か不合格かで判定されますが、TOEICはスコアで判定されます。
そのため、英語レベルの現状把握に役立ち、複数回受験することによって、スコアアップを指標として、英語のレベルを上げていくことができるのです。
最初は、スコアが低くても伸びた分だけ頑張りをアピールすることもできます。
ビジネスシーンを想定している
TOEICでは、ビジネスシーンを想定した問題が出題されています。
そのため、TOEICで高スコアを出すためには、英語力だけではなく論理的思考や読解力、集中力、マネジメント力などの様々な能力が求められるのです。
これらの能力はビジネスシーンで不可欠のものであり、向上心や勤勉さだけではなく、グローバルに活躍できる人材であることをアピールすることができます。
以上のことから、就活でTOEICが重視されているのです。
そもそもTOEICってどんな試験?
TOEICが就活で重視されているということは、分かってきたと思いますが、そもそもTOEICとはどんな試験なのか理解しましょう。
テストの種類
TOEICとは、英語を母国語としない人のビジネスにおける英語レベルを測定する世界的な共通テストです。種類は全部で3つあります。
- TOEIC 公開テスト:個人申込で行われるテストで、公式認定証が発行されます。
- TOEIC IPテスト:団体受験で行われるテストで、公式認定証は発行されません。
- TOEIC Bridgeテスト:英語初心者向けに作られたテストです。
この中で、就活で活用できるのは「TOEIC公開テスト」です。
このテストはListening & Reading TestとSpeaking & Writing Testsに分かれていますが、就活やビジネスシーンで活用する場合は、Listening & Reading(L&R) Testを指しているのがほとんどです。
テストの構成
L&R Testはリスニング(45分間・100問)、リーディング(75分間・100問)で構成され、マークシート方式の一斉客観テストです。テストは英語のみで作成されており、英文和訳、和文英訳はありません。
受験スケジュール
月に1回程度実施されています。試験実施日の約2か月前から申込が開始され、試験実施日の約1か月前に締め切られます。
さらに、結果が届くのに1か月程度かかるため、企業の応募期限等を考慮し、いつまでに受ける必要があるのか、計画的にスケジュールを立てる必要があるでしょう。
就活でアピールできるスコアは何点以上必要?
TOEICは英語レベルがスコアで判定されると説明してきましたが、企業にアピールするために英語の点数は何点以上必要なのでしょうか。
ここでは志望する業界別に紹介していきます。
英語レベルをアピールするスコアは600点以上が目安
一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会のサイトでは、TOEICの平均点が公表されています。技術部門では560点、営業部門では575点、海外部門では690点です。
英語が必須ではない一般企業では、スコア600点以上あればアピールポイントになるでしょう。
まずは、スコア600点を目標に、就活でアピールできるようチャレンジしてみてください。
英語を使う職種では700点以上は必要
前述のとおり、海外部門での平均点は690点です。したがって、英語を使う職種でアピールするためにはスコア730点以上はが理想と言えるでしょう。
これは、日常業務のコミュニケーションを英語で行えるレベルです。英検でいうと2級から準1級のレベルで、海外部門の職種で活躍するために求められるスキルになります。
また、英語を使う企業に就職したいと希望する場合には、英語力を確認するために企業側が「TOEICスコア〇〇〇点以上」という条件を出している場合もあるため、募集要項を確認した上で計画的に受験する必要があります。
外資系企業を希望する場合は800点以上は必要
外資系企業への就職を希望する場合には、英語のみで専門的な業務が行えるレベルが求められます。
TOEICのスコアで見ると800点以上であり、社内公用語が英語であっても問題なく仕事が行えるレベルです。
ただし、このレベルになってくると、ライバルとなる就活生もTOEICで高スコアを取得しているため、高スコアであることに加えて、他にアピールできるポイントも準備しておく必要があるでしょう。
TOEICは全ての企業でアピールできるの?
これまで説明してきたとおり、約半数の企業が採用時にTOEICのスコアを参考にしています。
TOEICは認知度の高いテストであり、高スコアを出すのがいかに難しいかについて、企業側に理解されやすいです。
また、スコアだけでなく、高スコアを取得するために取り組んだことを、学生時代に力を入れたエピソードとして話すことができます。
特に、外資系企業や海外進出を進めている企業などを志望する場合は、必要な資格となっています。
TOEICで高スコアを獲得できれば、グローバルに活躍できる人材であることをアピールできるため、入社後の展望も踏まえて話すことができれば大きな強みとなるでしょう。
一方で、志望業界が官公庁、公社、団体や海外展開をしていない企業、英語を使う機会のない業種の場合は、TOEICが就活であまり必要ではなかった、面接でTOEICについて質問されなかったということもあります。
就活において、TOEICスコアが重要視されてきているということは間違いありませんが、TOEICが全てではありません。
就活を進める上での一つの指標でしかなく、高スコアを取得するためには、時間も労力も必要となります。
志望する業界で、TOEICスコアがどの程度重視されているのか、他にアピールすべき事はないのかなどを確認した上で、準備をすることをおすすめします。
まとめ
就活を進めるうえで、TOEICの点数がどの程度重視されているのか、解説してきました。
英語力をアピールできるのはもちろんですが、TOEICで高スコアを獲得するための取り組みが学生生活で力を入れたこととしてアピールできることも分かったと思います。
さらに、グローバル化が進む日本において、活躍するための能力を備えているということも証明できます。簡単なテストではありませんが、就活を有利に進めるためにチャレンジしてみましょう。