就活の履歴書やESには職歴欄がありますが、アルバイト歴を書くべきか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。継続中の場合はどう書くのが正解なのか、そもそもアルバイト経験を職歴に含めるべきか、判断が難しいところでもあります。
就活生の無料相談支援を行っている「JOBマッチ」を担当している私がこの記事を担当し、就活での履歴書のアルバイト歴の書き方を解説します。最後まで読んで、就活をスムーズに進めるヒントにしてください。
就活の履歴書に継続中のアルバイト歴は記入してもいい?
結果から申し上げますと、就活の履歴書に継続中のアルバイト歴を記入する必要はありません。
そもそも履歴書の職歴欄は「正社員としての経験」を記入するものなので、アルバイト経験は職歴とは考えないのが一般的です。
とはいえ、就活の履歴書においてアルバイト歴を記入するのがNGというわけでもありません。志望先の企業の仕事内容がアルバイト経験と一致する場合や、勤めた期間が長いなど、場合によっては良いアピール材料になるため、「アルバイト」と明記した上で記入するのが良いでしょう。
就活の履歴書の職歴欄の書き方
就活の履歴書にアルバイト歴を記入する場合、いくつかのパターンによって書き方が異なります。
以下では継続中のアルバイトがある場合の他、全部で5パターンの書き方を解説しますので参考にしてみてください。
現在継続中のアルバイトがある場合
現在も継続してアルバイトをしている場合、「在職中」または「現在に至る」と記入します。
この二つの言葉は、それぞれ書き方が異なるのでよく確認しましょう。
在職中と記入する場合
会社名の横に「在職中」とし、さらに1段下の行に右詰めで「以上」と書くのが正しいマナーです。
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト) 入社 |
ファミリーレストラン△店でホールスタッフに従事 在職中 | ||
以上 |
現在に至ると記入する場合
会社名の次の段に「現在に至る」と記入します。さらに1段下げて右詰めで「以上」と書き足しましょう。
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト) 入社 |
ファミリーレストラン△店でホールスタッフに従事 | ||
現在に至る | ||
以上 |
現在継続中のアルバイトで退職予定日が決まっている場合
現在継続中のアルバイトがあるが、退職予定日が決まっている場合、一般的には、在籍中の会社名の一行下に「現在に至る(〇〇〇〇年〇月〇日退職予定)」、もしくは「在職中(〇〇〇〇年〇月末契約期間満了見込)」と記入します。
退職の予定日が具体的に決まっていない場合、「在職中」もしくは「現在に至る」として構いません。
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト勤務) 入社 |
ファミリーレストラン△店でホールスタッフに従事 | ||
現在に至る(20××年□月△日退職予定) | ||
以上 |
過去にアルバイト経験がある場合
現在は辞めてしまったけど、過去にアルバイト経験がある場合、一般的には会社名の横に退職」「退社」と記入します。
ただし、退社は「その日に会社を出て帰宅した」という意味合いでも使われるため、退職を使う方が無難でしょう。
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト勤務) 入社 |
ファミリーレストラン△店でホールスタッフに従事 | ||
20××年 | □月 | 〇〇会社 退職 |
以上 |
アルバイト経験がない場合
アルバイト経験がない場合にも、職歴欄に左詰めで「なし」、一段下に右詰めに「以上」と書かなければなりません。
理由としては、何も記載しなかった場合、記入漏れを疑われる可能性があるからです。採用担当者に分かりやすいように、忘れず記入しましょう。
年 | 月 | 職歴 |
なし | ||
以上 |
アルバイトを掛け持ちしていた場合
アルバイトを掛け持ちしていた場合、1行にまとめる方法と、2行に分けて記入する方法があります。
学歴などと合わせて書く際に、記入欄の行数を見て適切な方を選択しましょう。
【1行でまとめる場合】
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社 入社 アルバイト勤務 (△年◆月に退職) |
20××年 | □月 | ▲▲会社 入社 アルバイト勤務 (△年◆月に退職) |
以上 |
【2行に分ける場合】
年 | 月 | 職歴 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト勤務) 入社 |
20××年 | □月 | 〇〇会社(アルバイト勤務) 退職 |
20××年 | □月 | ▲▲会社(アルバイト勤務) 入社 |
20××年 | □月 | ▲▲会社(アルバイト勤務) 退職 |
以上 |
就活の履歴書でアルバイト歴を書く際のポイント
就活の履歴書でアルバイト歴を記入したら、自己PRやESでアルバイトの詳細を文章で伝えましょう。せっかくのアルバイト歴も上手にアピールできなければ意味がなくなってしまいます。
以下では、就活の自己PRやESでのアルバイト経験の書き方のコツを解説します。
成功・失敗の経験も書く
アルバイトをただ続けただけではアピールにつながりません。どんな成功を収め、どんな失敗で学びを得たのか、自分の言葉で伝えることが就活においては大切です。
採用担当者も、アルバイト経験が本人をどう成長させたのかを採点の基準にしています。真面目に働いた経験も素晴らしいものではありますが、そこに具体的なエピソードが加わるだけで印象も大きく変わるでしょう。
例えば、「こういう問題が生じていたが、〇〇という工夫をすることで改善された。」「持ち前の企画力を用いて、売り上げを10倍以上にすることができた。」など、自身の強みを効果的にアピールできると良いですね。
企業が求めるイメージに結びつける
企業の採用担当者が選考時に見ているポイントは、「自社とマッチするかどうか」です。華々しいアルバイト経験があったとしても、志望する企業の社風とマッチしなければ、高評価につながる可能性は低いでしょう。
そのため、「アルバイトの経験」と「企業が求めるイメージ」が合っているかどうかが重要になります。
例えば、接客や販売のアルバイトは、営業などの職種に活かせます。また、現在も継続中、もしくは長く続けていた経験がある場合、その業界での仕事への理解があると判断され、即戦力として期待される確率も高いでしょう。
アルバイトの内容次第ではマイナス評価もある
ごく稀なケースですが、就活においてアルバイトの内容次第ではマイナス評価に転じるパターンもあります。
どんなアルバイトでも頑張った経験は評価されますが、志望する業界によってはアルバイト経験をアピールしない方が良い場合もあります。
例えば、銀行のような誠実なイメージが強い業界の場合、「水商売」の経験はマイナスになる恐れがあります。もちろん、水商売が完全にNGというわけではありませんし、そのアルバイトで得た経験は本人にはかけがえのない財産かもしれません。ただ、業界によっては、マイナスイメージに転じる場合があることは覚えておきましょう。
業界と関係ないアルバイト経験は自己PRなどで活用する
アルバイト経験と志望する業界が結びつかない場合、自己PRやガクチカに活用するのがおすすめです。業界や職種に関係がないからとアピールを諦める必要はありません。
例えばコンビニやファストフードの経験が志望業界と関係ない場合、仕事の向き合い方が高く評価される場合があります。「POP作りで自分の意見が採用された」「お客様の表情を読み取りながら、おすすめ商品を変えた」など、自分がどう仕事に取り組んできたのか、今一度過去を振り返ってみましょう。
書かない方が良いアルバイト歴もある?
志望する企業の職種や業務に結びつくアルバイトの場合はアピールした方が良いですが、中にはアルバイト歴を記入しない方が良いケースも存在します。自分の評価を下げないためにも以下のようなケースの場合は履歴書の記入をなるべく控えましょう。
単発・短期アルバイトの場合
単発や短期アルバイトの経験だけでは、職歴というには少々物足りない印象です。「こんな経験をしました」「こんな学びを得られました」とアピールしたところで、短期間でスキルや経験が身につくとは考えにくく、説得力にも欠けてしまうので気を付けましょう。
アルバイトの数が多すぎる場合
アルバイトの数が多すぎる場合も就活においては注意が必要です。経験が豊富だとプラスの考えもありますが、採用担当者の中には「すぐ辞めてしまうのでは」とネガティブに評価する人もいます。アルバイトの数が多すぎる場合は、中でも長く続いたアルバイトを抜粋して記入するのが得策です。
まとめ
就活の履歴書にアルバイトを記入する必要はありませんが、記入してもマイナス評価になるとは考えにくいでしょう。
アルバイト経験を記入する場合は、志望する業界や業種につながるようにアピールするのが大切です。継続中のアルバイトがあれば、場合によっては高評価にもつながります。
アルバイト歴がない場合や、アルバイト経験が志望する業界や職種と関係ない場合でも心配いりません。学生時代に頑張ったことや部活やサークル、ゼミなどでもアピールできるポイントはたくさんあるはずです。就活を有利に進めるためにも、まずは自分の過去や経歴を見直してみましょう。