就活のWeb面接は近年増加傾向にありますが、自己PRも動画で選考を進める企業が増えつつあります。
「就活で自己PRの動画提出を求められたけど、何から準備を始めたらいいのか分からない」
「通常の就活での面接やESと何が違うの?」
このような疑問を持つ就活生も多いでしょう。
今回は、新卒の就活生へ向けた求人紹介エージェントの「JOBマッチ」を担当する私が、就活の自己PR動画の作り方のポイントを解説します。本記事では就活の自己PR動画の尺は1分を想定しているため、ぜひ参考にしてみてください。
企業は就活の自己PR動画で何を見てる?
そもそも企業は自己PR動画で何を見ているのでしょうか。以下では、就活の自己PR動画で企業が見ているポイントを解説します。
人柄・雰囲気
まずは就活生の人柄や雰囲気です。
これまではESの自己PR欄に記入するのが一般的でしたが、表情や話し方などの非言語コミュニケーションの部分までは判断できません。
そこで自己PRを動画で提出してもらうことで、非言語的コミュニケーションの確認が可能となりました。
企業が求める人物像を採用しやすくなっただけではなく、就活生側も自分の人柄や雰囲気をより正確にアピールできるようになっています。
志望に対する熱意
動画を見て志望に対する熱意を評価している企業も多いです。
自己PRの内容ももちろん肝心ですが、話し方や表情を見てどれだけ志望に対する熱意があるかを読み取ろうとしています。
人柄・雰囲気と共通する部分ではありますが、動画にすることで文章では伝わりきらない熱意をより明確にアピールできるでしょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルはすべての業界・業種に欠かせない社会人スキルです。
動画を通じて企業は就活生のコミュニケーションスキルを図っています。就活生の話し方や表情、言葉遣い、態度を見ながら社会人として人と関わる能力が備わっているかを確認しているのです。
撮影をする際に注意すべきこと・ポイント
就活の自己PR動画を撮影する際はどのような点に注意すべきなのでしょうか。以下では、動画撮影時のポイントを紹介しますので参考にしてみてください。
撮影時の環境
まず注意すべきは撮影時の環境を準備することです。
場所 | 屋内 |
---|---|
背景 | 白・白に近い色 |
照明 | なるべく明るい場所で行う(日中なら自然光でもOK) |
音声 | 雑音が入らない静かな場所 |
通信環境 | 安定した通信環境を確保 |
いきなり撮影するのではなく、カメラテストを繰り返したうえで動画撮影に最適な環境を整えましょう。
最初と最後の挨拶はより丁寧に
自己PR動画を撮影する際はいきなり本題に入るのではなく、最初と最後に挨拶を入れましょう。
最初の挨拶の例文
最後の挨拶の例文
挨拶をする際はカメラ目線で表情や話し方にも気を配るようにしましょう。
話し方
話し方は普段よりもハキハキ元気よく話しましょう。動画は対面での会話より聞きづらくなる可能性があるため、とくに注意すべきポイントです。
また、自己PR動画は納得のいくまで撮り直しできるのがメリットです。自己PRは1分のほか、30秒や2分など企業によってさまざまとなるので、指定された時間に合わせた文字数で原稿を作成し、ベストな話し方を決めましょう。
視線
視線のコツは正面、もしくはやや上を見ることです。目線が下向きになると相手を見下している印象になるためNGです。
また、視線が定まっていないと挙動不審に見える恐れがあります。ほかにも自信がなさそうに見えてしまうため、視線はしっかりとカメラの方向を見るようにしましょう。
時間
就活で自己PR動画の提出を求められた場合、必ず時間を提示されます。
1分のところが多いですが、30秒や2分、3分と企業によって指定時間は異なります。必ず確認したうえで動画撮影の台本を作成しましょう。
30秒の場合は150~200字、1分は300~400字、2分は600字、3分は1,000字程度が目安です。
就活でより良い自己PR動画を撮影するための一工夫・コツ
自己PR動画ではほかの就活生と差を付けることが大切です。面接官の気を惹く自己PR動画なら選考でも有利になります。以下では、より良い自己PR動画を撮影するための一工夫について紹介します。
服装や小道具を使う
企業から指定がない場合、服装や小道具を使うのもおすすめです。
例えば自己PRのエピソードに部活を取り入れるならユニホームを着用してもいいかもしれません。資格取得であれば資格の証明書や使用した教材などを使うのも効果的です。
また、フリップやスケッチブックを使ったアピール方法もあります。このような小道具を使うことで話の内容が分かりやすくなるほか、強調したい部分が伝わりやすくなります。
ただし、個性を主張し過ぎると却って逆効果に。
なるべく原稿は見ない
自己PR動画の撮影時に原稿を見るのはなるべく控えましょう。
原稿を見ながらでは視線が定まらないうえ、棒読みになりやすく不自然な自己PRになってしまいます。完全に丸暗記をする必要はありませんが、伝えたいポイントは頭に入れておき自分の言葉で伝えることも大切です。
背筋をまっすぐ伸ばす
動画撮影時は背筋をまっすぐに伸ばしましょう。
背筋が伸びていることは自信の表れとなり、選考時の印象もよくなります。撮影時に座って話す場合、背もたれがまっすぐ伸びた椅子がおすすめです。
撮影が始まったら証明写真を撮るようなイメージで、あごもやや引いて前を見るようにしましょう。
ジェスチャーを交える
じっと椅子から身動きせずに話すと却って不自然な印象になってしまいます。
そのため、やり過ぎない程度にジェスチャーを交えましょう。
動画に臨場感が生まれ、面接官の気を引くことができます。大会成績で3位を収めたら指を3本立てるなど、メリハリを意識するのが大切です。
1分に収まらない場合の対処法
1分と指定されたのに1分に収まらない場合はどうすべきなのでしょうか。以下では、1分に収まらない場合の対処法を解説します。
アナウンサーの話し方を参考にする
1分以内に収まらない場合、話すスピードに問題があるかもしれません。
話すスピードが遅いと1分をはるかにオーバーしてしまう恐れがあります。ゆっくり話すことは大切ですが、ゆっくり過ぎて制限時間をオーバーしてしまっては本末転倒です。
テレビや動画のニュースサイトでアナウンサーの話す速さを参考にしてみましょう。聞きやすいと思えるアナウンサーの話し方を意識することで、適切なスピードが掴めます。
言葉のひげを控える
言葉のひげとは話す内容に関係のない余分な口癖のことです。「あのー」「えーと」など、無意識に使っている方も多いのではないでしょうか。
1分に収まらない場合、言葉のひげを控えるように意識してみましょう。これだけでも余分な時間を削減できます。
原稿を区切って読む練習をする
何度も練習を重ねて時間を意識するのも大切なポイントです。
1分の場合、適切な文字数は300~400字程度ですが、1分の中で文字数を区切ってみると時間内に収まるかもしれません。
30秒なら150~200字程度のように、原稿を区切って読む練習から始めてみましょう。
台本の文字数を見直す
先述した通り、1分の自己PRの場合は300~400字でまとめるのがベストです。何度練習を重ねても1分をオーバーしてしまう場合、台本自体の文字数に問題があるのかもしれません。
台本を見直して余分なワードや繰り返し表現を使っていないかチェックし、台本自体を改めて推敲してみましょう。
記事まとめ
今回は就活の自己PR動画の作り方のポイントを紹介しました。
撮影時に注意すべきなのは環境や話し方、視線、時間を守ること、そして最初と最後の挨拶はより丁寧に行うことです。ほかの就活生との差別化を図るためにも小道具を使うのもいいかもしれません。
また、なるべく原稿は見ず、背筋をまっすぐ伸ばすこと。そして適度なジェスチャーを取り入れることでメリハリのある動画に仕上がるでしょう。
企業に提出する魅力的な自己PR動画を撮影するコツがわかったら、次にESや履歴書に書く際の効果的な書き方について理解しましょう。
以下の記事では、就活ESで自己PRを効果的に書く方法を解説しています。合わせて参考にしてください。