就活の一環として行われる座談会への参加を迷っている人も多いかと思います。
そもそも、座談会という言葉を初めて耳にする人もいるでしょう。座談会は就活に活かせる情報が得られ、企業を深く知る絶好のチャンスです。
この記事では、座談会に参加するメリットや質問の仕方を解説します。
これから解説する項目をチェックして座談会に望めば、就活に成功する可能性が高まるので、ぜひ参考にしてください。
就活の説明会・座談会とは
就活の会社説明会と座談会は、どちらも企業が学生や就職希望者などに向けて行うイベントですが、その形式や目的が異なります。
会社説明会は、企業が情報提供するためのイベントであるのに対して、座談会は参加者同士が対話をする場であるという点が特徴です。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
会社説明会とは
就活の会社説明会は企業の事業内容や求める人材像などを紹介するプレゼンテーション形式のイベントで、主に大学や専門学校、就活イベントなどで行われます。
企業の代表者や社員が講演やパネルディスカッションを行ったり、ブース展示や個別相談会を実施したりするのが一般的です。
企業が主体となって説明を行い、質疑応答の時間が設けられる場合もありますが、学生は聴講するほうが多くなります。
座談会とは
就活の座談会は対話形式のイベントで、企業の担当者と学生が参加して意見交換や情報共有をする場です。
企業の担当者と直接会うことができるため、会社の雰囲気や仕事内容、社員の働き方やキャリアパスなどについて詳しく聞くことができます。
座談会への参加は、事前に企業研究を行い、適切な質問を用意しておくことが大切です。服装やマナーなどにも気を配り、丁寧な対応を心がけましょう。
説明会/座談会の流れ
座談会が開催されるタイミングは、会社説明会が行われたあとに実施されることが多い傾向です。そのため、企業説明会に参加した流れでそのまま座談会に参加することができます。
座談会の一般的な流れは以下の通りです。
- 会社説明会の終了後、座談会へ移行
- 学生が3〜15人のグループに分けられる
- グループごとに企業の担当者が入り、質疑応答
- 個別の質疑応答
座談会が終わったあとも、企業の担当者に個別に相談できる場合もあります。あなたから積極的に質問をしに行けば、熱意が伝わり好印象になるでしょう。
名刺をもらっておけばOB・OG訪問につなげることもできますね。
就活で説明会・座談会が行われる目的
就活の説明会や座談会は、企業が多数の学生に対して同時に説明を行うことができるため、採用活動の効率化と優秀な学生の確保が可能です。
企業が説明会や座談会を行う目的を理解すれば、どのような質問をすれば良いかが見えてきます。的外れな質問をしないために、企業側の意図を知っておきましょう。
企業が伝えきれない部分をアピールするため
企業は自社ホームページや会社説明会で情報を伝えています。しかし、伝えられる情報は限られており、説明会や座談会を通じて魅力を知ってもらうことで入社意欲を高めたいという意図があるのです。
たとえば、社風や先輩社員がどのような就活を行ったかなどは、ホームページや説明会では伝わりにくい場合があります。
そのため、学生と近い距離感での交流で、伝えきれていない魅力を感じてもらおうとしているのです。
就活生の人柄を知るため
面接のように緊張感のある場面では、学生の人柄を見ることはできません。その点、座談会はフランクな雰囲気でおこなわれるため、人柄が出やすくなります。
企業側もフランクな雰囲気の座談会という形で、普段の人柄を知ろうとしているのです。
疑問点や心配に思っていることを理解することで、より学生に寄り添った採用情報発信の参考にもつながります。
ミスマッチを防ぐため
説明会や座談会では、企業担当者が働く環境や仕事内容、価値観などを話してくれます。就活生は座談会での質問を通じて、自分に合うかどうかを判断することができるのです。
企業側も就活生の志向性や人柄を知り、採用選考に役立てることができます。
このように、座談会は企業と就活生がお互いを知り合うための貴重な場であり、情報交換を通じてミスマッチを防ぐことも目的のひとつです。
参加する4つのメリット
説明会や座談会への参加が合否に直接結びつくわけではありません。そのため、参加に迷っている人もいると思います。
しかし、参加すれば就活に有利になる情報を得ることができ、メリットが多いのです。説明会や座談会に参加するメリットには次のようなものがあります。
採用担当者に覚えてもらえる
合否に直接は結びつかないとはいえ、熱心な質問をする人は採用担当者に覚えてもらい、選考を有利に進められる可能性もあります。
たとえば、突っ込んだ質問をした学生の名前をメモする採用担当者や、名前は覚えていなくても、印象に残れば顔が記憶に残っていることも少なくありません。
面接官の印象に残れば「詳しくこの学生と話してみたい」と思われる可能性もあります。このように、説明会や座談会に参加して顔を覚えてもらうことで、次のステップに進める可能性があるのです。
社風や雰囲気がわかる
説明会や座談会はフランクに行われることが多く、面接では聞きづらいことも聞ける雰囲気があります。
そのため、社風や雰囲気についても、社員から本音を聞けることも少なくありません。社風や雰囲気は、自分にマッチするかどうかを左右する大きな要素なので、見極める機会になります。
ただし、答えづらい質問なので、質問の仕方を工夫することが重要です。たとえば「アットホームな企業だとお聞きしたのですが、何かエピソードはありますか」という風に聞くと良いでしょう。
他の学生質問が聞ける
説明会や座談会では、グループ形式で複数の学生が参加して質疑を行うため、あなたが思いつかなかった質問を聞けることが大きなメリットです。
さらに、ほかの学生がどのような興味を持っているのかも知ることができます。
自分では思いつかなかった質問や、それに対する回答を聞くことは企業研究を進めるうえでとても重要です。多くの学生や先輩社員から企業情報を聞くことは、知識の幅を広げることにつながります。
先輩社員の生の声を聞ける
説明会や座談会には複数の社員が参加する場合が多く、担当している部署や年齢、役職もさまざまです。
学生にとっては、複数の社員から話を聞くことで、多面的に情報を得ることができます。
たとえば、入社が浅い社員からは就活の話を聞いたり、人事担当社員からは求める人物像を聞いたりできますね。
同じ会社に属していても、立場や仕事内容が異なれば考え方や見え方も異なるため、これらの意見は会社を深く知るうえで参考になるでしょう。
おすすめの質問を理解しよう
就活の説明会や座談会では社員に質問したほうがいいことはわかっていても、どのようなことを聞けばいいのかわからない人もいるかもしれません。
そこで、ここからは説明会や座談会に参加する意義を最大限に高められる質問例を紹介します。
ポイントは、その企業の社員だからこそ話せる内容を質問することです。ぜひ、参考にしてみてください。
事業内容
事業内容は企業情報から知ることができますが、具体的な仕事内容や一日の仕事の流れなどはわかりにくいことがほとんどです。
より具体的にイメージをつかむためには、詳しい仕事内容を聞くことも大切です。
仕事内容とあわせて、仕事をするにあたって意識していることなどを質問すると、よりイメージが沸きやすくなりますよ。
たとえば、
- 一日の仕事の流れと、仕事をするにあたって気をつけていることを教えてください
- 出社から退社までのタイムスケジュールと、その中で一番重要な仕事を教えてください
- 担当されている仕事の難しさや、失敗談があれば乗り越えた方法について教えてください
などを質問すれば、どのように働いているのかや必要なマインドなどが見えてきます。
社内の雰囲気
志望している業界の社風に対して、自分なりのイメージがある人も多いでしょう。
しかし同じ業界の中でも、社風は企業によって大きく異なり、実際に働いてみると「業務内容がイメージと違った」ということは少なくありません。
あなたに合った企業を見つけるために、しっかり質問しましょう。社内の雰囲気は企業情報からは読み取れない情報なので、実際に働いている社員に聞くのが一番です。
直接的に「社風を教えてください」という漠然とした質問ではなく、コミュニケーションなどを切り口にすると、自分が求める回答が得られやすくなります。
たとえば
- 他部署間でのコミュニケーションはありますか
- 上司や先輩との交流はありますか
- 社内の人とプライベートでもお付き合いがありますか
などの質問がよいでしょう。自分がどんな働き方や、どんな職場で働きたいのかなどを明確にしたうえで質問することがポイントです。
求められる人物像
選考の目的や基準がつかめるため、就活中は積極的に質問したい項目です。ここで得た情報をもとに選考対策をすれば、高評価が得られやすくなります。
「企業が求める人物像と自分がマッチングしているか」を確認できることも大きなメリットです。
どういう人物が欲しいのか、現在活躍している人はどのような人かを質問するのもよいでしょう。実際に活躍している人について聞くことで、企業が求める人材像がより明確につかめます。
次のような質問をしてみましょう。
- 活躍されている人の共通点を教えてください
- 入社後に必要となるスキルはありますか
- 新人に求める能力や考え方を教えてください
入社後のキャリアパス
入社後に自分が思い描いているキャリアがある人もいると思います。自分が入社して、どのようになりたいのかをイメージしたうえで、質問してみるとよいでしょう。
先輩社員の経歴やキャリアを知れば、入社後のキャリアパスがイメージしやすくなり、入社後の目標設定ができます。
キャリアアップの条件や、そのために何が必要かという質問は入社への意欲をアピールできるため、好印象です。
具体的な質問としては
- キャリアアップのために取り組んでいることはありますか
- 女性でも管理職を目指せますか
- 入社後、何年くらいでリーダー職につけますか
などがよいでしょう。
福利厚生や制度
福利厚生や資格については企業情報で確認できるため、追加で確認したいことを質問しましょう。たとえば、資格の取得支援制度の有無や有給休暇の取得率などです。
ただ、福利厚生にこだわりすぎると思われることもあるため「なぜ知りたいのか」と「質問に至った背景」を合わせて質問するようにしましょう。
質問のしかたとしては
- 入社後もエンジニアとしてのスキルを磨き続けたいのですが、資格取得の支援はありますか
- 仕事の成果を出すためにメリハリを持って働きたいと思っていますが、有給休暇の消化率はどれくらいでしょうか
などが良いでしょう。
先輩社員の就活体験談
先輩社員がなぜその会社に入社したのかを聞けば、どのような点に魅力を感じているのかがわかります。自身の志望動機を考えるときに役立つので、聞いておいたほうがよい質問です。
- 企業選びで重視してい他ことを教えてください
- 業界の中でなぜ御社を選んだのか教えてください
- 就活で活かすことができた学生時代の経験を教えてください
説明会・座談会の質問時にNGなこと
座談会でおすすめの質問を解説してきましたが、聞いてはいけないこともあるため注意が必要です。
質問内容によっては悪印象を与えてしまい、マナーを知らないと判断される場合があります。
最低限のマナーとして避けた方がよいNG質問は覚えておきましょう。
自己PRをしない
せっかく企業の人と会えるのだからアピールしたいという気持ちもあるでしょう。覚えてもらいたいあまり、自己PRのような質問をしてしまう人もいます。
しかし、座談会は面接のようなアピールの場ではありません。
自己PRをしすぎると、場をわきまえられない人と思われ、かえってマイナスになってしまう可能性があります。座談会の目的は、ミスマッチをなくすためだということを覚えておきましょう。
自分ばかり質問しない
座談会は時間が限られているため、他の学生への配慮が必要です。自分ばかり質問してしまうと他の学生が質問できなくなるので、悪い印象を与えることになりかねません。
どうしても他にも質問したいことがあれば「何度も恐れ入ります」と一言添えてから聞くようにしましょう。
なお、質問の回答に時間をかけないためにも、1回の質問で聞くことは2つくらいまでにすることをおすすめします。他の学生はもちろん、企業の人への配慮も必要です。
調べればわかることは質問しない
会社説明会で説明されたことや、調べればわかる質問はNGです。
企業研究をしていないと判断されることがあります。参加前にしっかりと企業研究を行い、説明会で話された内容はメモをとっておきましょう。
社員や他の学生の質問に意見しない
社員側の回答や他の就活生の質問に対して自分の意見を言うことは避けましょう。座談会はフランクな質疑応答の場であり、議論する場ではありません。
協調性がないと判断され、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
社員の回答が気になり深掘り質問をしたいときは、あなたの順番が回ってきたときや他に質問する人がいないときにしましょう。
説明会で聞いた内容は質問しない
説明会で聞いた話をそのまま質問すると、話を聞いていないと思われてしまいます。もう一度聞きたいときは、内容を発展させた内容で質問しましょう。
たとえば「研修制度があるというお話でしたが、具体的にはどのような内容でしょうか」などという質問の仕方がおすすめです。
まとめ
座談会は企業情報からはわからないことや生の声を聞けるので、リアルな情報を知ることができるチャンスです。
また、普段は聞くことができないような質問ができるため、疑問や不安を解消できミスマッチを防げるメリットもあります。
有意義な時間を過ごすためにも、座談会には積極的に参加しましょう。踏み込んだ質問や熱心さを印象づけることができれば、担当者に覚えてもらい評価アップにつながる可能性もあります。
担当者と直接会話できるチャンスだからこそ、この記事を参考にしながら質問を準備して臨めば就活に有利になりますよ。