英語を話せると海外旅行で活用できるだけではなく、就職活動でも評価アップにつながります。とはいえ、就活における英語スキルはどの程度求められるのでしょうか。
今回は、新卒の就活生へ向けた求人紹介エージェントの「JOBマッチ」を担当する私が、就活に英語力が必要なのかどうかを解説します。
面接で有利になる英語のレベルや持っているとアピールできる資格、英語スキルが活かせる業界・職種なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
就活で英語力は必要なの?【2024年】
結論から言いますと、就活で英語力を必要としている企業は少ない傾向にあり、必ずしも必要ではありません。
就職みらい研究所の「就職白書2024」のデータによりますと、新卒採用の採用基準で重視する項目として「語学力」と回答した企業は全体のおよそ12%です。
もっとも重視するのは人柄の約93%、次いで取得資格の約16%。語学力はその次にランクインしています。
現時点では英語ができない人も就活に与える影響は少なく済みそうです。とはいえ、英語力がマイナスに転じることはほとんどなく、英語スキルを保有していても損をすることはないでしょう。
グローバルに活躍する企業は増加傾向にあるため、今後英語力を必須とする企業は増えるとも考えられます。
時間にゆとりがあれば語学力を身に付けておくと安心でしょう。
就活で英語が評価される業種・職種一覧
実際に就活で英語が評価される業種や職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下では、英語力が選考で評価される業種や職種を紹介します。
商社
商社と一口にいってもさまざまですが、商社の中には海外と取引をしている企業、海外に営業所を構える企業があります。
海外と取引をしている企業であれば、英語でプレゼンテーションを行う機会もあるでしょう。海外に営業所を構えている企業であれば、海外赴任や出張が発生するかもしれません。
日常的な英会話のみならず、ビジネス英会話にも明るいスキルがあれば高い評価を得られるでしょう。
近年ではメールでのやり取りも活発に行われているため、話せるだけではなく書ける・読めるなどの応用スキルも重宝されます。
ホテルスタッフ
ホテルスタッフも英語が評価されることが多い業界です。
特に有名観光地など外国人観光客が訪れるようなホテルは、共通言語である英語スキルが求められるでしょう。
外資系ホテルは出資元の国の言語の習得が必須となる場合があります。また、高級ホテルになると募集条件にTOEICのスコアが条件に課されていることも。
外資系企業
外資系企業とは本社が海外にあったり、外国法人や外国人が一定以上出資している国内企業を指します。
外資系企業では日頃から出資元である国など海外とのコミュニケーションが活発です。そのため、社内のコミュニケーションで英語を使う企業は少なくありません。
国内にある企業でも働く日本人の大半が帰国子女であるなど、英語はネイティブレベルの高い水準が求められるでしょう。
もちろん、すべての外資系企業に当てはまるわけではないため、事前に働く人の国籍や社風などを確認しておく必要があります。
キャビンアテンダント
言わずと知れたキャビンアテンダントも英語力が欠かせません。
ホテルスタッフ同様に各国からさまざまな人が訪れますが、共通言語である英語のスキルは特に重視されるでしょう。
中でも国際線や外資系航空では、基本的に機内放送は英語で行います。乗客とのやり取りも英語が多く、採用時の英語力は重視されるべきポイントです。
外資系の航空会社と一部の日系会社では、就活生の英語スキルを確認するために面接を英語で行います。キャビンアテンダント志望の方は、模擬面接を英語で行うなど対策を講じておきましょう。
通訳
通訳もネイティブレベルのスキルが求められる職種です。
内容をその場で聞き取るリスニング、聞いた内容を相手に翻訳して伝えるスピーキングの双方のスキルが欠かせません。
また、聞いた内容を直訳するのではなく場の雰囲気に考慮し、どのように翻訳するのが適切かを読み取るコミュニケーション力も必要となるでしょう。
英語の語彙力はあればあるほど活躍の場が広がるため、TOEICで900点レベルをキープしておくと安心です。
TOEICや英検などの資格はどこまで評価される?
英語にまつわる資格といっても種類はさまざまで、評価も業界や業種によって異なります。
以下ではTOEICや英検などの資格が選考でどのように評価されるのか解説します。
TOEIC
英語を採用の条件としている企業の大半はTOEICを基準としています。TOEICは日常生活の英語力だけではなく、ビジネス英語も試験問題に出されるからです。
業界や業種によって異なりますが、一般的には700点以上であれば英語力は高いと判断されるでしょう。
英語が得意といえるレベルなので、エントリーシートや履歴書の自己PRでも強みとしてアピールするのがおすすめです。
また、外資系企業のようなネイティブな英語力を求める企業の場合、800点以上なら即戦力とみなされる可能性が高いです。
英検
小学生から受けられる英検は、TOEICに並ぶポピュラーな英語資格のひとつです。
易しいものだと5級に始まり、難易度がもっとも高いものだと1級です。
就活でアピールするなら2級以上は取得しておきたいところ。
準1級や1級ならより高い英語スキルがあると判断されます。ただし、英検はTOEICと比べるとビジネス英語の要素は薄く、就活でアピールするならTOEICも取得しておくと安心です。
TOEFL
TOEFLとは非英語圏の出身者のみを対象とした英語のテストです。
主に留学のための学力を測るために行われており、120点満点で採点されます。留学経験のある方はTOEFLを受けたことがあるかもしれません。
就活でTOEFLのスキルを重視する企業は少ないですが、一部の外資系企業や海外企業ではTOEICよりアピールできる場合があります。
一般的に日本人の平均点は70点といわれているため、就活でアピールするなら80点以上を目指しましょう。
IELTS
IELTSはイギリスが発祥の英語テストです。英語圏の各国に就労や留学、移住目的の人を対象に英語力を測ります。
成績は1〜9までのバンドスコアで決まり、1がもっとも低く、9が最高ランクと位置づけられています。
就活でアピールするなら6〜6.5以上あると安心です。6〜6.5のスコアは海外留学の基準にもなっており、このスコアが獲得できていれば日常的な英会話には困らないと判断されるからです。
TOEFLと似ていますが、難易度でいえばIELTSの方が低い傾向にあります。
就活で英語力をアピールする際のポイント
身に付けた英語力はどのようにアピールするのが望ましいのでしょうか。
以下では、就活で英語力をアピールする際のポイントを解説します。
英語力を身につけた過程をアピール
日本語が母国語である日本で英語を習得するのは、決して簡単なことではありません。就活ではどのように英語力を身に付けたのか、努力の方法や過程をアピールしましょう。
「毎日の通学ではリスニングを欠かさなかった」「玉手箱の試験に挑戦した」などの具体的なエピソードがあれば、英語の勉強に取り組む姿勢を評価されやすくなります。
英語を学習する上で得たものをアピール
例えば留学経験の場合、現地での出会いやコミュニケーションで苦労したことなど、英語を学ぼうとしたからこそ得られた経験は就活でのアピールポイントになります。
また、近年では英語力を活かせるインターンシップもあります。参加した人はインターンシップ経験をアピールするのも良いかもしれません。淡々と経験談を語るのではなく、得たものが選考で有利になるようアピールしましょう。
自分の英語力をどのように仕事に活かすのかをアピール
面接では自分が企業で働くイメージを伝えましょう。
英語力が優れていることをアピールするだけでは、面接でプラス評価は得られません。とくに新卒の場合はポテンシャルが重視されることが多く、自分のやる気や情熱をしっかりと伝えるのがポイントです。
記事まとめ
本記事では就活に英語は必要なのか、面接や選考で有利に働くレベルや就活で上手にアピールするためのポイントなどを解説しました。
商社やホテルスタッフ、外資系企業、キャビンアテンダント、通訳などの業界・業種では英語が必須となるでしょう。
また、2024年現在は英語を重視する企業は少ないものの、時代の流れに沿って英語力を重視する企業は今後増えることが考えられます。時間にゆとりがある人は何らかの英語スキルを身に付けておくのが良いかもしれません。
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