「就活はまずエントリーから」とよく言われます。就活を開始したばかりだと、そもそもエントリーの意味がわからず、どのような方法で進めたらよいかわからない人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、就活のエントリーの定義から平均数、やり方まで解説していきます。後半ではよくある質問例についてもお答えするので、ぜひ記事の内容を参考にして就活を進めてくださいね。
就活のエントリーとはどういう意味なのか
就活が始まるとよく「エントリー」という言葉を耳にするのではないでしょうか。プレエントリーやエントリーなど、似たような言葉ばかりで混乱する方も多いことでしょう。
そもそも「エントリー」とはどういうことなのか、その意味を整理していきましょう。
エントリーの定義
エントリーとは採用面接などに参加表明することです。エントリーを行なうことで筆記試験やWEBテストを受けることが可能になります。
つまり、エントリーをした時点でその企業を受験することができるのです。エントリーではエントリーシートの提出が求められることがほとんどなので事前にまとめておくとスムーズにエントリーができますよ。
プレエントリーとの違い
企業に応募したいときは、まず資料や請求や説明会に参加しなければなりません。ほとんどの企業は、自社の採用ページ経由で、説明会の予約やエントリー方法に関する資料配布を行っています。
プレエントリーをすると、企業説明会の日程やエントリーシートの提出期限など、さまざまな情報が発信され、その情報をもとにエントリーをすすめます。この登録する行為のことを「プレエントリー」といい、あくまでも必要な情報を得る段階です。
- プレエントリー:企業に興味があることの意思表示
- エントリー:企業の選考を受けたいことの意思表示
エントリーはいつからできる
エントリーが始まるのは、大学3年の3月からが一般的です。就活情報解禁日から順次プレエントリーができるようになり、エントリーシートの提出など就活が本格化します。
ただし、一部の外資系企業やベンチャー企業では、前倒しでエントリー受付を行っていることも少なくありません。事前に希望する企業のサイトでエントリーシートの提出時期や説明会の参加方法などを調べておきましょう。
どの企業を受けるかによって、エントリーの開始時期が異なるため、早めにエントリーしないと選考のチャンスを逃してしまう可能性もあります。そのため、エントリー先の決定も含めて、情報解禁までに就活の準備を終わらせておくことが大切です。
エントリーには条件がある場合もある
募集要項の「応募資格」は必ずチェックしましょう。企業によっては、エントリーにあたって条件が必要なときもあります。たとえば、薬剤師や管理栄養士などの専門職では、仕事内容に応じた資格を持っていることが条件になっている場合もあるので注意が必要です。
なお、一般企業でも社用車を使用する職種では、普通自動車免許が必要なこともあります。これから資格を取る人は、いつまでに合否がわかるかを確認のうえ、企業の選考スケジュールに合わせて指定された日までに取得できるようにしましょう。
エントリーするとできること
では、就活でエントリーをすると、どんなことができるようになるのでしょうか。エントリーをすると次のようなことができるようになります。
- 企業説明会の予約
- 会社説明資料をもらえる
- 最新の選考情報をもらえる
- Web受験などができる
就活選考に参加するためには、必ず「エントリー」をしておいてくださいね。
5つの注意点を理解しよう
エントリーとはどういう意味なのか理解できたけど、注意することを知りたいと言う人もいるでしょう。次に、エントリーに関して注意することを5つお伝えするので、覚えておいてくださいね。
①エントリーには期限がある
企業によって時期は異なりますが、エントリーには期限があります。必ず期間内にエントリーを完了しないと本選考は受けられません。まだ期間に余裕があるからと思い、のんびりしていると気がつけば終わっていたということもあります。
また、エントリー期限が終了してしまうとプレエントリーもできなくなるので注意が必要です。本選考の結果が思わしくなく、次を見つけようとしても締め切られており、慌てる人も少なくありません。
②プレエントリーは応募ではない
プレエントリーは、説明会や選考スケジュール、面接予約など選考に必要な情報を得るための行為です。逆に言うと、興味があることの意思表示なので、どんどんプレエントリーして構いません。
プレエントリーしなければ本エントリーもできないため、エントリーの機会を逃さないためにも興味がある企業にはプレエントリーしておきましょう。必ず選考を受けなくてはいけないということではないのです。
③早い時期にエントリーする
エントリーは、1次と2次の複数回に分けて締め切りが設けられていることがほとんどです。もし、1次に間に合わなかったときは、2次でエントリーすれば問題ありません。しかし、できる限り1次で行うようにしましょう。
企業はエントリーシートが届いた順に選考を開始するため、2次エントリーが設定されていても、1次で募集定員に達してしまうことも少なくありません。遅くなるほど内定をもらえる人数が減って行くため、内定がもらいにくくなります。エントリーが解禁されたらすぐにエントリーシートを提出できるようにしておくことをおすすめします。
④エントリー業界や企業を絞りすぎない
「行きたい業界が決まっているから多くはエントリーしない」という人もいると思います。しかし、1つの業界や企業に固執するのはよくありません。なぜなら、自己分析が甘く間違った絞り方をしてしまう危険性や、これから活動を続けることで自分の知らない業界に興味が出ることもあるからです。
また、大手の人気企業や採用人数の少ない企業は難易度が高く、すべて不採用になる可能性もあります。あまり企業を絞りすぎると選択肢が少なくなり、なかなか決まらないこともあるため、幅を持たせて複数社へエントリーしておくのが就活での鉄則と言えるでしょう。
⑤追加エントリーも視野に入れる
説明会の参加やエントリーシートを提出したものの、その後の選考で不合格となってしまうことも少なくありません。そのようなときは、追加エントリーをすることを視野に入れましょう。
一般的にエントリーには期限がありますが、エントリー締切が過ぎてしまっていても、採用に苦戦している企業は募集を継続している企業も少なくありません。たとえば、ベンチャー企業や外資系企業などは通年採用をしていることが多く、遅くなっても入社のチャンスはあります。
ホームページなどで追加エントリーできる企業を探してどんどんエントリーシートを提出しておくとよいでしょう。
就活のエントリー数の基準
他の就活生がどれくらいの企業にエントリーしているのか気になる人も多いと思います。大学生の平均エントリー数を紹介するので、自分がエントリーする目安にしてくださいね。
大学生の平均的なエントリー数は26.9社
また、男女や文系と理系でもエントリー数が異なります。わかりやすく表にまとめてみました。
文系 | 理系 | |
---|---|---|
男性 | 34.6社 | 17.3社 |
女性 | 28.4社 | 22.3社 |
全体 | 31.5社 | 19.8社 |
参照:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/07/202207_gakuseichosa_kakuho.pdf
理系の就活生と比べて文系の就活生は就活にかける時間が多く取れる一方で、理系の就活生は学校推薦を利用して就職することが多いため、文理での企業エントリー数に差があると言えます。
エントリーする企業を絞り込む傾向がある
2022年のエントリー数が29.1社、2023年のエントリー数は26.9社と、昨年に比べて2.2社減っています。
一方で企業説明会に参加する就活生は2022年が16.1社、2023年は17社とわずかながら増えました。この結果を見ると、複数の企業から積極的に話を聞いて、実際に応募する企業を絞り込んでいる傾向が見て取れるでしょう。
エントリー数にとらわれすぎない
できるだけ多くの企業にエントリーしたほうが有利だと思う人もいるでしょう。しかし、たくさんの企業にエントリーしたからといって就活がうまくいくとはかぎりません。エントリー数が多くなれば、その分1つの企業に割ける準備時間は減ってしまいます。
エントリー数だけにとらわれすぎず、企業研究や自己分析をしっかり行ったうえでエントリーする企業を決めましょう。
就活のエントリーまでにしておくこと
エントリーが解禁されたからといって、何でもかんでもエントリーすると、逆に非効率です。複数にエントリーすることは大事ですが、ある程度の軸を決めておかないと、内定には結びつきません。
面接に進んでも、志望動機が明確にできないと説得力のある回答ができず、不採用になってしまう確率が高くなります。そうならないために、エントリーするまでに次の準備をしておきましょう。
自己分析を行う
適当にエントリーをして採用されたとしても、本当にやりたいことでなければミスマッチが起こり「こんなはずじゃなかった」と思うことが少なくありません。そのため興味のある企業を探すためには「自己分析」が必要です。
自己分析を行えば「何に興味があるのか」「自分の強みは何か」などがわかり、企業選びがスムーズに進めやすくなります。エントリーをする前に、必ず自己分析をしておきましょう。「できないこと」や「やりたくないこと」から消去法で整理していくと見つけやすくなりますよ。
- 絶対にやりたくないこと
- 好きではないこと
- 興味がないこと
- 自分の弱み
- 自分の短所
これらの逆のことが、「自分がやりたいこと」や「やれること」です。やりたくないことはすぐに見つかりますね。
企業研究を行う
自己分析も大事ですが、同様に受ける企業にはどんな仕事があるのかを知っておくことも必要です。
世の中にはまだまだ自分が知らない企業や仕事内容がたくさんあります。どんな企業や仕事があるかを理解できれば、その分選択肢も多くなるため、自己分析と並行して「企業研究」も行いましょう。
適職診断を受ける
なかなか自分の自己分析方法がわからない人もいると思います。そのような人には「適職診断」がおすすめです。適職診断はマイナビなどの就職サイトでも無料で使うことができ、インターネット上でいくつかの質問に答えると、自分の性格や向いている職業などを可視化できます。
それぞれ特徴や使いやすさが違うため、いくつか使ってみるとよいでしょう。ただし、パソコンで判断されるので、精度はそこまで高くありません。結果をうのみにせず、参考程度にすることをおすすめします。
4ステップで簡単! エントリー方法
企業研究や自己分析が終わったら、いよいよエントリーです。実際にエントリー前の準備や、完了後にやっておいたほうがよいこともあります。ここからは、エントリー完了までの流れを解説していくので、確認しておいてくださいね。
【STEP1】就活用のアドレスを作る
就職情報サイトにアカウントを作るときは、アドレスの登録を求められます。できれば、専用の就活用メールアドレスを作成しておきましょう。なぜかというと、プライベート用のアドレスを使うと、企業からのメールと私用のメールが混ざってしまうからです。
これから多くの企業にエントリーを行い、説明会への参加方法や面接の連絡などはメールで受け取ることになります。就活専用のメールアドレスを用意することで見落としが防げますよ。
GoogleやYahoo!などで無料のメールアドレスが簡単に作れるので、就活用アドレスを予め作っておきましょう。
【STEP2】就職情報サイトに登録する
専用メールアドレスの準備ができたら、どのような企業があるかを探すために、情報サイトへ登録をしましょう。マイナビなどの就活サイトにアクセスして氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの必要情報を入力すれば登録完了です。
サイトに登録することで次のような情報を見ることができるようになります。
- 企業情報
- 採用情報
- インターンシップ情報
- Web説明会
- 選考スケジュール
就活サイトはいくつかあるので、複数登録して効率的に就活を進めましょう。
【STEP3】興味のある企業にエントリーする
登録が完了したら、応募先したい企業を探し、実際に採用ページからエントリーします。エントリーすると次のことができるようになります。
- 会社説明会の参加予約
- 説明会の資料を送付
- 最新の選考情報の受信
- 採用ページやマイページの利用
エントリーの時点で、エントリーシートの提出を必須としている企業がほとんどです。エントリーをする前にエントリーシートの内容は待っておきましょう。なお、応募は企業の採用ページから行うのが一般的なので、応募したい場合は必ず採用ページをチェックしてくださいね。
【STEP4】スケジュールを管理する
エントリーをした後に説明会などの予約を行いますが、ここで気をつけておかなければならないことは日程です。複数企業にエントリーすると、企業説明会の開催日程が重複することはよくあります。
説明会を予約したのに、同じ日の同じ時間に説明会があったため、片方の説明会に参加できなかったということも少なくありません。エントリー後は、しっかりスケジュール管理を行うことが大切です。
よくある質問例3選
就活のエントリーに関して、特に多い質問をピックアップしてお答えします。
エントリーをしたら必ず選考を受けないといけませんか?
エントリーしただけでは選考に進む事はありません。選考を受けるためには、エントリーシートの提出や説明会への参加が必要です。
たとえエントリーしたとしても、気に入らなければ選考に進まなくても構いません。気になる企業があれば、どんどんエントリーしましょう。
エントリーには期限がありますか?
締め切りは企業によって異なります。基本的に期限内であればエントリーは可能です。しかし、説明会への参加がエントリーの条件となっている企業は、説明会の人数に達した時点で応募を締め切ることもあるため、早めのエントリーをおすすめします。
エントリーは辞退できますか?
企業側も、希望度が高い企業の説明会や試験に優先的に参加することを承知しているので、辞退そのものは問題ありません。ただし、マナーとして参加できないない場合は辞退の連絡を入れましょう。
もし、面接の予約などを入れているときは、企業は面接予定の就活生のために貴重な時間を割いてくれています。自分から予約し参加意思を表明しているのですから、行けなくなったことを謝罪するのが就活のマナーです。
まとめ
就活のエントリーは自己分析と業界分析がとても重要です。ゼミや研究室で学んだことや、自分の興味・関心・強み・弱みなどを明確にして志望動機をまとめましょう。自己分析を行えば、どのような業界が向いているのかも明確になるため、業界分析もしやすくなります。
エントリー解禁になってから行きたい企業を探すと、興味のない企業に応募してしまうことにもなりかねません。自己分析と業界研究は時間がかかり面倒臭い作業ですが、就活を左右するとても大事な作業なので、エントリー解禁前にすませておきましょう。