就活選考において、多くの学生が苦手意識を持っているのが「グループディスカッション」による選考です。
この記事では、就活におけるグループディスカッションの目的や評価のポイント、また基本の進め方について解説します。
グループディスカッションの練習方法や、就活の際によく出されるテーマ例等もまとめているので、グループディスカッションを控えている就活生の方はぜひ参考にしてみてください。
就活におけるグループディスカッションの目的・評価ポイント
まずは就活選考の一環としてグループディスカッションを行う目的と、具体的なディスカッションの進め方について詳しく見ていきましょう。
グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、就活生を複数人のグループに分け、特定のテーマ・課題についてグループごとに議論を行ったうえで結論を出させるという就活選考の手段の1つです。
グループディスカッションには制限時間が設けられているため、限られた時間の中でどのように立ち回り、グループに貢献していくかが重要なポイントとなります。
グループディスカッションで見られていること
就活選考におけるグループディスカッションで評価される主なポイント・能力は以下の通りです。
評価のポイント①コミュニケーション能力・協調性
グループディスカッションでは、グループ内での協調性やコミュニケーション能力の高さが評価されます。
そのため、以下のような振る舞いを心がけ、自分をアピールすることだけに意識が向かないよう注意しましょう。
- グループディスカッションの開始時にしっかり挨拶・自己紹介を行う
- 他の就活生の意見に耳を傾けたり、発言の少ないメンバーにも意見を求めたりする
- 反対意見を頭ごなしに否定せず、一度肯定したうえで自身の意見を伝える 等
評価のポイント②積極性
グループディスカッションでの発言が少なかったり、他のメンバーから意見を求められてもうまく答えられなかったりすると、積極性が低いと評価される可能性があります。
必ずしもリーダーを務める必要はありませんが、他のメンバーの意見に対して自身の考え方を述べたり、適宜相槌を入れたりして意欲的に参加する姿勢を示すことが大切です。
評価のポイント③論理性
グループディスカッションにおいては、筋道を立てて説明するスキル(論理的思考力)も評価されています。
選考ではグループで議論した結果を面接官や他の就活生に向けて発表するケースも少なくないため、誰が聞いても理解できるように分かりやすく説明できる能力が必要となります。
グループディスカッションの基本的な流れ
グループディスカッションの実施時間は30分~45分程度となっており、限られた時間内に結論を出すためにも、しっかりと役割を決めて効率的に進めることが大切です。
以下は、実施時間が30分と仮定した場合のグループディスカッションの進め方の例です。
ステップ | 概要 | 時間配分 |
---|---|---|
1.挨拶・役割分担 | 簡単に自己紹介を行ってから、グループ内での役割分担を決定します。 | 3分程度 |
2.時間配分 | グループディスカッションのタイムスケジュールを決定します。 | 2分程度 |
3.ディスカッション | グループ内で意見・アイデアを出し合い、結論を導きましょう。 | 20分程度 |
4.発表 | 結論を分かりやすくまとめて発表の準備を行います。 | 5分程度 |
グループディスカッションの練習方法
続いて、グループディスカッションの練習を行うときのポイントやコツについて詳しく見ていきましょう。
役割分担の重要性を知る
グループディスカッションの苦手意識をなくすには、グループディスカッションにおける役割分担を理解し、自身に合った役割を見つけることが大切です。
グループディスカッションで必要となる主な役割とその特徴は以下の通りです。
リーダー(司会・進行役) | 議論の方向性を示し、最終的な結論をまとめる役割を担います。グループを仕切るというよりは、発言の少ないメンバーに意見を促す等、周囲への気遣いが求められる立場となります。 |
---|---|
タイムキーパー | グループディスカッションでは制限時間内に結論を出すことが求められるため、進捗を確認しながら時間配分を調整する役割は非常に重要です。「あと○分で結論を出しましょう」と伝える等、リーダー役の就活生をサポートする立ち回りになります。 |
書記 | 議論の要点を整理し、結論を出す際のサポートを行います。積極的に意見を出すことが苦手な場合は、書記を担当してグループに貢献するという方法がおすすめです。 |
発表者 | 最終的にまとまった結論を面接官や他の就活生に説明する役割となります。必ずしも1人である必要はなく、話す内容に応じて複数人で分担するのもおすすめです。 |
就活仲間と繰り返し練習を行う
グループディスカッションはテーマやメンバーによってその都度進め方が異なるため、事前に練習することが難しい選考方法でもあります。
とは言え、時間配分の感覚を掴んだり、自身に合った役割を見つけたりするためにも、模擬的なグループディスカッションの実施は効果的な方法だと言えるでしょう。
就活仲間同士で練習の機会を設ける他、家族や友人、バイト先のメンバー等に協力してもらい、様々なパターンを試してみるのがおすすめです。
ディスカッションの様子を録画するのもおすすめ
グループディスカッションの練習を行う際は、動画等で撮影して後から見返せるようにするとより効果的です。
自身の発言や振る舞いを客観的に確認することで、直すべきポイントや強み等を見つけられるでしょう。
就活で扱われることの多いテーマ例
就活選考におけるグループディスカッションのテーマは企業によって様々ですが、ここではよく出されるテーマとして、いくつかの例を紹介していきます。
働き方や価値観を問う抽象的なテーマ例
- 働くことの意味とは
- 社会人と学生の違いはどのような点か
- 社員のやる気を高めるにはどのような方法が良いか
- この業界は10年後どうなっていると予想されるか
- 理想の上司像とはどのようなものか
- オフィスを移転するとしたらどこが良いか
- 人生の幸福度を高めるにはどうしたら良いか
- 無人島に1つだけアイテムを持ち込むとしたら? 等
課題解決型の具体的なテーマ例
- 自社の商品を売り込むにあたってどのような訴求をすべきか
- 店舗の売上を2倍にするにはどのような施策が必要か
- 競合他社との差別化を図るアイデアは?
- セクハラ・パワハラ等の問題を解決する方法は? 等
時事問題を取り扱ったテーマ例
- 日本の少子化に対してどのように向き合うべきか
- AI・ICTの推進で日本の社会はどう変化するか
- リモートワークを維持する上での課題と解決策
- ウクライナ情勢がもたらすエネルギー危機への対策 等
まとめ
- グループディスカッションとは、複数人のグループで特定のテーマ・課題に関する回答を導き出す手法のこと
- 就活においては、グループディスカッションを通して協調性や積極性、論理的思考力等がチェックされる
- 自身に適した立ち回りを把握するためにも、事前に就活生同士で集まってグループディスカッションの練習を行うことが大切
グループディスカッションは対策の難しい選考方法ですが、繰り返し練習を行うことで自身に合った立ち回りが身に付き、どのようなテーマでも比較的落ち着いて対処できるようになります。
まずは就活生同士でグループディスカッションの実践練習を行い、自分の意見を発言することから慣れていくようにしましょう。