面接は就活の中でも選考の合否に関わる重大な要素の一つです。
特に短所に関する受け答えは、就活生の自己分析力や課題へ取り組む姿勢が見られています。
自分のことを客観視できる就活生は、入社後でも成長スピードが速く、企業としてはぜひとも欲しい人材です。
特性や強みを知る自己分析は、就活の第一歩なのです。
この記事では、就活面接でベストな長所・短所の答え方を例文付きで解説します。
短所を長所に言い換える例文もお伝えしますので、面接で好印象を残したい就活生は参考にしてみてください。
短所を長所に言い換える方法は、履歴書やエントリーシート(ES)への書き方にも応用できます。
自分のアピールポイントを知って、就活を成功につなげてください。
企業が就活面接で長所・短所を知りたい理由
就活面接ではほぼ間違いなく聞かれる長所と短所。
企業が長所や短所を知りたい理由は主に3つです。
知りたい理由がわかれば、自分がどう対応すべきかが見えてきますよ。
自分のことを客観視できているか
しっかりと自己分析ができる就活生は、入社後でも成長速度が速く環境への適応力が高いです。
自分の長所や短所を把握できれば、長所を伸ばしながら短所も補えるでしょう。
自分の長所をアピールできれば、仕事で成果を出しやすく活躍の場を広げられます。
短所ならば、弱点を補う努力をしたり仲間と協力して仕事に取り組んだりできるでしょう。
自己理解を深めることは、入社後にスムーズに業務をこなせるかに直結すると言っても過言ではありません。
課題に取り組む向上心はあるか
企業に所属すれば、身体的にも精神的にも乗り越えなくてはいけない機会がいくつも訪れます。
自己分析が進んでいる就活生は、短所を補うために課題を明確にし、解決しようとする向上心が強いです。
グローバルな視点に立ったとき「自分で考え自分で行動する」という主体性は必要不可欠。
働き方改革や在宅ワークの機会が増えたことで、限られた勤務時間で主体的に行動できる就活生が求められています。
企業とのミスマッチが起きないか
企業としては、社風や職場に合わない短所を持った就活生を採用したいとは思いません。
看護師を例に挙げると、洞察力やコミュニケーション力がない人は不向きと言えます。
実際に、新卒で採用しても短所の部分が仕事とマッチせず、早期退職や休職になる事例も多いです。
企業としては就活生の長所や短所を知っておくことで、ミスマッチが起こるのを防ぎたいと考えています。
長所・短所は「強み・弱み」と「自己PR」とどう違うのか
就活面接では「長所・短所」「強み・弱み」「自己PR」を聞かれることがありますが、どれも似ていると思いませんか?
面接担当者が質問する際には、それぞれの質問意図が異なるケースが多いです。
あらかじめ違いを理解しておけば、就活面接で質問意図に沿った受け答えができます。
「長所・短所」「強み・弱み」「自己PR」の違いは以下の通りです。
【長所・短所】 |
---|
自分の性格や人柄、優れた資質のこと。プライベートでも仕事でも相手にとって直接的なメリットやデメリットにはならない。 |
【強み・弱み】 |
---|
サークル活動や挫折経験などから得たスキルのこと。強みを磨き上げれば仕事で成果につながりやすい。 |
【自己PR】 |
---|
サークル活動や人生経験から得たスキルを通じて企業にどう貢献できるかを「自己アピール」すること。 |
もう一度まとめると「長所・短所」は”性格や人柄”を表し「強み・弱み」は経験から得た”スキル”を表しています。
「自己PR」はスキルを活かして”企業にどう貢献できるかをアピールする”という意味です。
しかしながら、実際の面接では面接担当者によって質問の仕方や質問意図が異なります。
長所を知りたいのか強みを知りたいのかなど、面接担当者の質問意図を汲み取って答えることが大切です。
【表裏一体】短所を長所に言い換える方法
短所は短所で終わらせず、長所に言い換えて自分をアピールできれば、面接担当者に好印象を与えます。
短所は、見方を変えれば長所の裏返しです。
以下の表を参考にして、自分に当てはまる短所の言い換えができないか探してみてください。
◆短所を長所に言い換える回答例
【短所】 | 【長所】 |
---|---|
せっかち | 行動が早い |
マイペース | 集中力がある |
優柔不断 | 気配りができる・協調性がある |
心配性・生真面目 | 計画性がある・責任感がある |
人見知り | 慎重 |
負けず嫌い | 努力家 |
我が強い | リーダーシップがある |
完璧主義・神経質 | 几帳面 |
世話焼き | 面倒見がいい |
楽観的 | ポジティブ |
理屈っぽい | 分析力がある |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
諦めが悪い | 継続力がある |
頑固 | 一貫性がある |
例えば、自分が「せっかち」だと思う就活生は「誰よりも早く行動し結果につなげられる」と言い替えが可能です。
また、言い換えは履歴書やESを記入するときにも活用できます。
自分の長所や短所がわからないという就活生は、一度家族や友達に聞いてみましょう。
第三者に聞くことで、自分では思っていなかった性格を教えてもらえるかもしれません。
就活面接ではポジティブな印象を残せるように、日頃から短所を長所と捉えられるようにイメージしておいてください。
【例文付き】就活面接で使えるベストな回答一覧
就活面接で役立つ、長所・短所の回答例を例文で3つ紹介します。
会話の基本的な流れは、長所の場合は「結論(長所)、長所がわかるエピソード、企業にどう活かすか」の順で話してください。
短所を伝えるときは「結論(短所)、短所がわかるエピソード、改善のために何をしているか」という例文になります。
【例文①】長所「行動力がある」 / 短所「せっかち」
私の長所は行動力があるところです。サークル活動で会場セッティングをしたときは、設営やお菓子などをスピーディーに準備しました。始めから考えすぎずに行動したおかげで入場時間の2時間前にはセッティングを終わらせることができました。御社に入社したらスピード感を持って業務にあたり、期限を前倒しできるように努めます。 |
しかしながら、私にはせっかちな一面があります。以前、行動を急ぐあまり確認の漏れから周囲の友達に迷惑をかけてしまいました。現在では作業中に定期的な確認を行い、抜け漏れを防ぐことを心がけています。 |
【例文②】長所「計画性がある」 / 短所「心配性」
私の長所は計画性があるところです。大学ではゼミの発表会に向けてスケジュールを組み、内容や進捗状況を細かくチェックしていました。結果的に、計画的に物事が進んだことで余裕を持って発表会に臨めました。御社に入社したら計画的に仕事を進めて、新しい業務にもどんどんチャレンジしたいと思います。 |
一方、私には心配性なところがあります。計画通りに物事が進んでいるか、つい確認を繰り返してしまいます。必要以上の確認は仕事の効率が落ちるため時間を決めて確認を行うようにしています。 |
【例文③】長所「協調性がある」 / 短所「優柔不断」
私の長所は協調性があるところです。アルバイトをしていたときはチームワークを大切にして情報交換や情報共有を行い、販売実績が前年比+10%を達成できました。御社でも積極的にコミュニケーションを図り、売上の貢献に努めたいと思います。 |
一方で、私には優柔不断なところがあります。周囲の意見を大切にしたいと思うあまり、意見を一つにまとめるのに時間がかかるのです。この経験から物事を決めるときは明確な判断基準を持つことを心がけています。 |
長所も短所も、伝えたいポイントを一つに絞ることが大切です。
その理由は、一度にたくさん話を盛り込むと、何を伝えたいのかが分かりにくくなるため。
ポイントを絞れば自分で本当に伝えたい長所や短所が明確化します。
また、履歴書やESなど文字数に制限がある場合は、書き方を箇条書きにしてください。
周りくどい表現や説明はバッサリとカットして、就活面接で具体的に説明すれば大丈夫です。
就活面接でよくある注意点
就活面接でよくある注意点を4つ紹介します。
注意点に目を通して、面接担当者の意図に沿った自己紹介を心がけてください。
【注意点①】長所と短所には一貫性を持たせること
「短所を長所に言い換える方法」でも解説したように、長所と短所は表裏一体の関係です。
そのため、就活面接で長所と短所が矛盾していると、面接担当者に誤解を与えてしまいます。
例えば「”几帳面”な性格で、マーカーを色分けしてノートにメモを取っている」としましょう。
しかし「自分の部屋を片付けられず”大雑把”な一面がある」と答えてしまっては、面接担当者が困惑するのも当然です。
就活生には矛盾のない論理的な考えが求められるため、長所と短所に違和感がないか、もう一度見直してみてください。
【注意点②】エピソードは大学生活のものを話す
長所や短所を伝えるエピソードが古すぎると、説得力に欠けてしまいます。
中学や高校で成果を出したエピソードを例にすると「大学では何もしていないのか」と思われても無理はありません。
なお「クラブ活動で1位に輝いた」「作業時間を半分にできた」など具体的な数字を盛り込むことで、会話に信憑性が生まれます。
【注意点③】企業に関係ない長所や短所を話さないこと
企業側に関係のない事柄を話しても、全く意味はありません。
例えば「足が速い」や「家事が苦手」といった特性は、企業側には影響がないです。
就活面接では仕事に活かせることや改善している姿勢をアピールしましょう。
【注意点④】「短所はありません。」とは言わないこと
就活選考に悪影響が出そうと思っても「短所はありません。」とは答えないようにしてください。
答えたくない就活生の気持ちはわかりますが、誰にでも短所はあるものです。
面接担当者は就活生の弱点を知りたいわけではなく、短所に対してどう取り組んでいるかという姿勢を知りたがっています。
「自己分析が足りないのでは?」と思われないように、自分としっかりと向き合って、改善する努力をアピールしましょう。
まとめ〜就活面接では長所・短所を一つに絞って伝える〜
就活面接で長所・短所を答えるときは一つに絞ることが大切です。
話の内容を詰め込みすぎると、自分はもちろん面接担当者も会話が理解できません。
就活面接では「結論、エピソード、企業にどう活かすか(長所)/改善のために何をしているか(短所)」の流れを守りましょう。
また、記事で紹介した「短所を長所に言い換える方法一覧」や「実際の就活面接での例文」をぜひ参考にしてみてください。
特に、自分の短所を補うために取り組む姿勢は、ビジネスマンとして大きな成長につながります。
恐れずに面接担当者に自分をさらけ出し、好印象をゲットして就活を有利に進めましょう。
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就活面接での長所・短所の受け答えについて理解はできましたか?
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