就活をこれから始める学生のなかには、研究する業界や応募する企業をどのように決めたらよいのか悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。そんなときに参考になるのが就活やインターンシップで人気の企業ランキングです。
ランキングは様々なサイトが独自に調査をして公開しています。総合ランキングや業界別ランキングなど、分類の仕方がいろいろとありますが、就活生に人気の企業は多くのランキングで上位にランクインしているため、魅力的な要素が多い企業だと言えます。
本記事では様々な就活人気企業ランキングのなかで、ランキング上位に位置している企業を紹介します。また、どのような学生がどの分類のランキングを参考にするとよいかや、人気企業の特徴についても解説します。ランキング入りした企業やランキングの分類について知ることで、志望する業界や企業の絞り込みだけではなく、業界分析や企業分析などの就活に役立つ1つのツールとして使うことができるでしょう。
就活で人気の企業ランキングには様々な分類がある
就活で人気の企業ランキングには、「総合ランキング」「業界別ランキング」「男女別ランキング」など、様々な分類の仕方があります。ランキングを公表しているサイトによって分類の仕方が異なるため、自身にとって参考になるランキングかどうか確認しましょう。ここでは、主なランキングの分類について紹介します。
総合ランキング
これは調査対象の学生全員の回答を参照してランキング形式にしたものです。就活で人気の企業ランキングでは、大学3年生と大学院1年生を対象に調査した結果を、性別や文系・理系といった属性、業界に関係なくランキング化したものが一般的です。そのため、就活生全体の人気の傾向がわかるという特徴があります。
就活するうえで、志望する業界や企業をこれから考えるという就活生は、はじめに総合ランキングを参考にするとよいでしょう。
業界別ランキング
こちらは調査の就活生の回答を業界ごとにランキング化したものです。多くの場合、性別や文系・理系の区分けをしないため、各業界のなかでどの企業がより多くの学生にとって魅力的であるかを知ることができます。「志望する業界は決まっているけれど、企業名まで絞れていない」という就活生におすすめです。
男女別ランキング
男性に人気の企業、女性に人気の企業をそれぞれ分けてランキング化したものです。「世の中の同性や異性が強く関心を持っているのはどんな業界や企業か」という視点はもちろん、「それはなぜか」という視点で見ると業界分析や企業分析につながります。たとえば、女性に人気の企業として上位にランクインしている企業は、育児休暇や産前産後休暇の取得がしやすいなど、女性が働きやすい環境づくりをしている企業である可能性が高いと推測できます。
文系・理系別ランキング
調査の就活生を文系と理系に分けて、それぞれの回答結果をランキング化したものです。文系と理系それぞれの特性や技能を活かしやすい企業がわかるだけではなく、就職のしやすい業界がある程度わかると言えます。大学や大学院で培った知識や技術を就職する企業でも活かしたいと考える就活生は文系・理系別ランキングを参考にすることをおすすめします。
大学別ランキング
これまでご紹介した4つのランキングに比べるとそれほど多くはありませんが、調査の就活生が所属している大学ごとに就職者が多い企業をランキングにしているサイトもあります。ただし、東大や京大など知名度の高い大学のみであったり、「関東主要大学」のようにまとめられていたりすることが多いです。自身が所属する大学のランキングが掲載されている場合は、参考にするとよいでしょう。
就活生におすすめの人気企業TOP20(文系)
ここからは企業採用支援会社ワークス・ジャパンが発表した24卒向けの就活生に人気の企業をランキング形式にて紹介していきます。まずは就活中の文系学生に人気のTOP20を見てみましょう。
1位から10位
1位 | 伊藤忠商事 |
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2位 | 三菱商事 |
3位 | 東京海上日動 |
4位 | 住友商事 |
5位 | 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ |
6位 | アクセンチュア |
7位 | 三菱UFJ銀行 |
8位 | 三井物産 |
9位 | 損害保険ジャパン |
10位 | NTTデータ |
就活中の文系学生には銀行や損保の人気が高いことが見て取れ、さらに、総合商社やコンサルをおこなう企業も上位にランクインしています。また、一部IT系の企業もランキング入りしていることは最近の傾向として読み取れます。
文系学生の金融・商社・コンサル人気は根強く、毎年のように就活ランキング上位になることも理由に、エントリーが殺到することでその選考難易度も相当高いと言えるでしょう。そのため、人気企業の面接を突破するためには基礎能力の高さはもちろんのこと、細かな選考対策を欠かすことはできないでしょう。
11位から20位
11位 | みずほフィナンシャルグループ |
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12位 | 三井住友銀行 |
13位 | サイバーエージェント |
14位 | 講談社 |
15位 | PwCコンサルティング |
16位 | ニトリ |
17位 | 野村総合研究所 |
18位 | 丸紅 |
19位 | デトロイトトーマツコンサルティング |
20位 | JTBグループ |
11位から20位ではコンサルティング事業をメインとする企業が多くなっており、就活生からの人気の高さが伺えます。また、ゲームを配信する企業や出版社、家具を販売する企業といった学生に身近なサービスや商品を展開する企業もランキングに入っています。さらに、コロナ禍で落ち込み気味であった旅行業も人気が戻ってきていることが伺えます。
就活生におすすめの人気企業TOP20(理系)
文系に続いて理系学生に人気ある企業ランキングTOP20を紹介します。文系学生と異なり理系学生に人気のある企業の特徴はITやメーカーが上位に多いという点でしょう。文理の学生による違いがハッキリとわかるのもランキングの良さと言えるのではないでしょうか。
1位から10位
1位 | NTTデータ |
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2位 | ソニーグループ |
3位 | 野村総合研究所 |
4位 | 富士フィルム |
5位 | 富士通 |
6位 | トヨタ自動車 |
7位 | パナソニック |
8位 | アクセンチュア |
9位 | 村田製作所 |
10位 | 日立製作所 |
就活中の理系学生に人気の企業は自社の技術力を活かして世界に展開している企業がランキングに入っていることがわかります。特に、自社のDXを推進して、IT技術を多様な事業領域で課題解決やエンターテイメントにつなげている企業が上位入りを果たしています。
11位から20位
11位 | 旭化成 |
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12位 | 資生堂 |
13位 | 伊藤忠商事 |
14位 | サントリーホールディングス |
15位 | 花王 |
16位 | AGC |
17位 | NEC |
18位 | 三菱ケミカル |
19位 | 三井不動産 |
20位 | PwCコンサルティング |
化学メーカーや化粧品など、自社が特化して取り扱っていた製品やサービスを他の事業にも展開することで、事業領域を広げている企業が目立ちます。また、人気トップ10も含め、文系学生にも人気の総合商社やコンサルティング会社もランキングに入っていることがわかるでしょう。
人気ランキング入りしている企業の特徴とは
紹介したTOP20社以外にも、就活で人気の企業はまだまだあります。就活をする2024年卒の大学生や大学院生が、魅力的に感じる企業にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、就活で人気の企業ランキングにランクインしている企業の特徴を6つ解説します。
経営方針が明確になっている
まずは何と言ってもその企業の経営方針が明確になっており、共感できるものかどうかという点は非常に重要なポイントです。いくら年収や福利厚生が充実しているからといって、その企業の目指すべき方向が不明確なものであれば、就職を希望する就活生はほとんどいないでしょう。
裏を返せばその企業の将来の方向性が明確であれば、自ずと志望者も増えて就活生からの人気が高まることでしょう。
企業が向き合っている課題の規模が大きい
総合ランキングでは総合商社が上位となっていることが多いです。それは、総合商社がビジネスで解決しようとしている課題や掲げているビジョンが、日本だけでなく世界経済全体に及ぶ大きなものであるため、学生が共感したり「自分も一員として取り組みたい!」と意欲が湧いたりしやすいからだと推測できます。
ランキング上位の企業は就活時期に限らず、テレビの宣伝やSNSでも、世界規模の取り組みをしていることを発信しているため、その企業の名前と取り組みを知るきっかけが多く、潜在的に興味を持ちやすいと言えます。
学生向けに情報発信を積極的におこなっている
先ほど少し触れたとおり、学生に企業の情報が届くように様々な媒体を駆使して、情報発信をおこなっている企業は、人気を集めている傾向があります。企業の雰囲気や取り組みを発信することはもちろん、業界研究や内定者にインタビューをした様子など、学生が自分だけでは集めることが難しい情報や知りたいことも発信している企業が増えています。
発信媒体は、動画配信サイトや各種SNSをそれぞれ使っている企業が多いため、企業が発信する情報に触れたい方は、SNSなどで各企業のアカウントを検索したり、ホームページや採用ページに掲載された媒体のアイコンなどをクリックしたりして、各企業の情報を比較してみるとよいでしょう。
身近に感じるサービスを提供している
ゲームや書籍、エンターテイメントに絡めたIT技術などは、学生が昔からよく利用していたり、スマートフォンなどでダウンロードしてすぐに試すことができたりします。また、食品やレストランなども日ごろから利用する機会が多いでしょう。そのため、学生自身の趣味や好きなものに直接関係している業界や企業のサービスほど、自身のポジティブな実体験が多く、就職先の第一志望に挙がりやすくなります。
また、身近に感じるサービスを提供している企業は大企業であることが多いため、企業研究を進めていくと働きやすい環境であることがわかり、より就職したい気持ちが高まることで就活生からの人気が上がるという流れもあるでしょう。
最先端のビジネスや幅広いビジネスを経験することができる
就活で人気の企業の多くが大企業であり、大企業を志望する学生は仕事に対して高い意欲やチャレンジ精神をもっているでしょう。そのため、最先端の技術を持つ企業や、今後の社会基盤になっていくようなビジネスを学び習得できる企業に人気が集まっていると言えます。
たとえば、コンサルティング会社のインターンシップでIT企業へコンサルティングに取り組む場合、コンサルティングについて理解するだけでなく、IT業界や最先端のIT技術についても理解する必要があります。このように、1つの会社でも複数の業界のビジネスを学べることも学生にとっての魅力となっているのでしょう。
働き方の選択肢や福利厚生が充実している
働き方改革が進む最中、コロナ禍で柔軟な勤務体系の導入に拍車がかかったことで、以前よりも場所や時間に縛られずに働くことができる企業が増えています。就活で人気の企業は、リモートワークが可能であったり、フレックスタイム勤務制度が導入されていたりと、柔軟な働き方ができるように整備している場合が多いです。
また、ワークライフバランス休暇やボランティア休暇などの独自の特別休暇がある企業や、保養所など企業が所有する施設を利用できる企業など、福利厚生を充実させている企業もあります。働き方の選択肢や福利厚生は企業ごとに異なるため、これらを重視する学生は関心のある企業ごとに比べてみることをおすすめします。
まとめ
ランキングは多様なメディアが独自に実施した調査結果をランキング形式にしているものです。総合ランキングだけでなく、業界別ランキングなどランキングの分類はいろいろとあるため、自身の属性に近いランキングを参考にすることで、志望する業界や企業を選びやすくなります。
いくつかのランキングで上位にランクインしている企業は、様々な面で学生にとって魅力的な要素がある企業です。志望する業界や企業を選ぶ際や探究する際は、企業が向き合っている課題や発信している情報、働き方の選択肢など多角的に調べることをおすすめします。