就活で業界研究を進める過程で気になる企業が増え、選択肢が多くなってしまいどうしたら良いか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
たしかに、業界を調べていくほど興味が湧いてくる業界が多くなりますよね。
しかし、選択肢が増えるほど就活は成功しにくくなります。就活を成功させるには業界を絞り込むことです。
この記事では、就活で業界を絞る理由や絞り方を解説します。最後に、業界別の絞り込み時期についても解説するので、最後まで読んで、内定を勝ち取る参考にしてくださいね。
絞り方を理解しよう! 就活で業界を絞る3つの理由
業界の正しい絞り方を理解できていない就活生には、自分が何をしたいかがわからない人や、あれもこれもと業界を見ている人が多い傾向があります。
多くの業界に目を向けたほうが自分にあった企業が見つかりやすいと思う人もいるでしょう。
しかし、業界を絞らなければ、余計に決められなくなってしまいます。業界の絞り込みは、就活を進めるうえでとても重要な作業なので、しっかりと絞り方を理解することが必要です。
①効率よく就活を進めるため
就活は「自分がどうなりたいのか」や「何が向いているのか」を考えながら志望企業を決めていくため労力がかかります。
しかし、さまざまな業界や企業が存在しているため、すべての業界を研究することは現実的ではありません。なぜなら、就活は限られた時間の中で行わないといけないからです。
時間が限られているからこそ、企業研究はおろそかにできません。そのためにも、正しい絞り方を理解した上で業界を絞って活動を進めなければ非効率です。
②希望する企業を見つけやすくするため
ひとつの業界に多くの企業があり、そこから複数の業界を見ていくとなれば時間がいくらあっても足らなくなります。
先ほど述べたように、就活は期間が限られているのです。そのため、業界の絞り込み作業は志望先企業の決定ととらえましょう。
志望業界の絞り込みは、志望企業を見つけるためのきっかけにすぎません。最終的な目標は志望先を決めることです。選択肢が増えすぎると自分にあった企業が見つけにくくなります。
③特定の業界知識を深めるため
志望業界が多いほど企業研究に時間がかかり、結果的に知識が浅くなることも少なくありません。
一方で、志望業界が少なければ、ひとつの業界研究に時間をかけることができ、業界知識は深めやすくなります。
業界研究と企業研究はセットのため、どちらも手は抜けません。まずは業界について理解したうえで、志望企業の知識を深めていくことになります。
志望業界を絞り込むことで、目指す業界の知識を深めるための時間が増えるのです。
その結果、企業研究もスムーズに行えます。
絞るメリットを理解しよう
就活を効率よく進めるには、メリットとデメリットのバランスが大切です。
しっかりと絞り込むことでメリットは大きくなり、絞り方が少ないとメリットは小さくなります。
どちらかが極端になりすぎると逆効果のため、デメリットも知ったうえで上手にメリットを活かしましょう。業界を絞るメリットは次のとおりです。
効率よく就活を進められる
業界を絞れば自分に合わない業界を除外できるため、業界研究の負担が減ります。さらに、同じ業界に一貫していることで、一度作成した志望動機などを活用できることも多く、対策にかける時間の削減も可能です。
就活は業界を絞り、志望企業を決めることではありません。そこから面接や試験を経て内定をもらうことです。業界を絞って削減できた時間は対策などに使いましょう。
企業研究に時間がかけられる
志望意欲が高い就活生ほど就活は有利です。
面接官は、あなたが深い業界知識や企業情報を研究しているほど、志望度が高いと判断することが少なくありません。「企業研究に費やした時間の多さ」=「志望意欲の高さ」と考えましょう。
業界を絞れば企業研究の時間が増え、その分業界知識が深まり面接で有利になります。より深い企業研究が内定の可能性を高めて就活を成功に導く秘訣です。
志望動機に説得力が増す
業界を絞れば活動の軸に一貫性が出ます。一貫性があれば「なぜこの企業なのか」を明確にすることができ、志望動機に説得力が増すのです。
一方で、志望している業界に一貫性がないと、どのような基準で会社を選んでいるのかが伝わりにくくなり、志望動機が曖昧だと思われてしまうことも少なくありません。
企業選びの軸に一貫性があれば、面接官に入社意欲が伝わりやすくなります。
絞るデメリットを理解しよう
業界を絞ると効率よく活動を進められますが、逆にデメリットもあります。特に、自己分析や適職診断がうまくできていないまま業界を絞り込むと、自分に合う仕事を見つけにくくなることも少なくありません。
自己分析や適職診断を行い「やりたいこと」を決めてから、業界の絞り込みを行いましょう。さらに、業界を絞り込むデメリットを理解したうえで行動する必要があります。
他の業界の知識が薄くなる
業界を絞り込むと、希望する業界知識が深くなる一方で、他の業界知識は入りにくくなります。選択肢から外した業界は、もう研究しなくなるからです。
たとえば「なぜこの業界なのか」という質問に対し、比較対象の業界研究をしていないために理由をうまく伝えることができないことがあります。
このように、志望動機が浅くなれば説得力がなくなり内定に結びつきにくくなるのです。そのため、志望動機に説得力を増すために比較対象とする業界は、引き続き業界研究をしておきましょう。
内定がゼロになることもある
研究を重ねて絞り込んだ業界だから必ずうまくいくとは限らないことには注意が必要です。
自分は合っていると思っていても、企業が求める人材像にマッチしていないことはよくあります。そうなると、絞り込んで応募した企業は全て不合格になる可能性もあります。
なかには、人気業界だけに応募したため、競争倍率が高くなり合格できなかったというケースも少なくありません。このように、内定がゼロになる可能性もあるため、絞りすぎには注意が必要です。
就職の選択肢が狭くなる
業界を絞ると、絞った業界しか選択肢はありません。しかし、業界研究が甘く選択肢から外した業界や、知らない業界の中に自分にあう業界がある可能性もあります。
だからといって、選択肢を増やしすぎるのはよくありませんが、絞り込むことで就職先の選択肢が少なくなるデメリットは理解しておきましょう。
そのためにも、絞り込む前に自己分析と業界研究を行う必要があります。絞り込みは、ひとつではなく、3つ程度の業界を選択肢として考えておくといいでしょう。
この理由は、先ほど述べたように、選んだ業界が向いていなかったときのリスクを回避するためです。
就活で業界を正しい絞り方7選
入社後に「イメージと違った」と後悔しないためにも、さまざまな視点で業界を絞り込む必要があります。だからといって闇雲に絞り込むのはよくありません。
正しく業界を絞り込むことで、書類選考や面接を通過しやすくなります。ここでは、就活を効率的に進められる業界の絞り方を解説するので参考にしてください。
自己分析や就活の軸と照らし合わせる
どの業界にも魅力を感じ、選択肢を増やしすぎたために、志望業界を決められない人は少なくありません。選択肢が多くなりすぎて迷ったときは、自分の就活の軸を再確認しましょう。
たとえば「海外と関わる仕事がしたい」という軸であれば、商社やメーカーなどが選択肢になりますね。このように、やりたい仕事をもとに関連付けて考えると、選択肢を減らすことができます。そのためには、あらかじめ就活の軸を決めておくことがポイントです。
業界の特徴や条件をチェックする
業界を絞るときに、業界の事業内容だけを見て判断しがちです。しかし、業界によってそれぞれ特徴が異なります。たとえば、転勤の頻度や営業スタイルなど同じ業界でも特色が違うのです。
さらに、給料や労働時間、勤務地などの条件にも違いがあるため、事業内容だけで判断すると、自分にあった企業に気づかないことがあります。
自分が希望する条件に近い企業を見極めるためには、業界の特徴や条件も調べることが必要です。
業界を絞り込むときは自分の希望や事業内容だけでなく、業界の特徴や仕事内容も考えることでミスマッチが防げます。
希望条件一覧を書き出しておけば、自分の考えを見える化でき、絞りやすくなるのでおすすめです。
自分の好きな職業や職種という考え方で選ばない
自己分析が甘いと「なんとなく好きな業種だから」という理由で業界を決めてしまうことがあります。
しかし、好きだという理由だけで業界を選んでしまうと、ミスマッチが起こる可能性もあるため注意が必要です。
たとえば、列車が好きだから鉄道会社を選んだとしても、実際の業務は営業の場合もあります。列車が好きでも、営業に向かない人なら辛いと感じることも少なくありません。
このように、好きだからという理由で業界を決める人に多いのは、自己分析ができていないことです。しっかりと自己分析を行って業界を絞らなければ、ミスマッチが起こる原因になります。
選択肢を狭くしすぎない
業界を絞ったほうが就活はしやすくなりますが、あまりにも選択肢を狭くしすぎると、リスクが大きくなります。
もし、希望する業界をひとつに絞って持ち駒がなくなった場合、他の選択肢がなければ違う業界を探さなければなりません。
また一から志望業界を探し始めるとなれば時間のロスです。そのため、絞り込みは3つ程度にすると失敗しにくくなります。受けられる企業が無くなったときのことを考えて、別の選択肢も考えておきましょう。
行動しながら調整する
業界を絞り込み過ぎて面接が少なすぎることや、時間が空きすぎてしまうと効率的に就活を進めにくくなります。
就活は時間が限られているため、効率よく進めることが重要です。効率的に就活が進められないときは選択肢を増やしましょう。
逆に、選択肢が多く時間が足らず「きつい」と感じれば、さらに絞り込んで選択肢を減らすことも必要です。
さらに、就活を進めていく途中で気持ちや考えが変わることもあるため、必要に応じて志望業界や応募数を調整するようにしましょう。
インターンシップや企業説明会に参加する
就活においてインターンシップや企業説明会は、採用担当者に直接話ができる機会なので、質問するのもおすすめです。
たとえば「私は、将来、広報を担当したいと思っていますが、それが達成できるような制度はありますか」など具体的に質問してみましょう。
インターンシップや企業説明会に参加すれば、新たな興味が湧いてくることも少なくありません。
さらに、社風や制度、働き方など、企業情報からは読み取りにくいことを知ることができるチャンスでもあります。
気になる業界があれば、各業界1社ずつくらいは、説明会やインターンシップに参加してみることをおすすめします。
就職エージェントのアドバイスをもらう
就職エージェントは求人紹介から選考対策など、内定獲得までを一貫してサポートしてくれるのが特徴です。志望業界や価値観を伝えれば、その結果をもとにあなたに合う求人情報を紹介してくれます。
さらに、未公開求人を持っていることも多く、一般の就活生は応募できない求人を紹介してもらうことも大きなメリットです。
選考の日程調整や、エントリーに関する各種手続きなども仲介してくれるため、企業研究に集中することができます。このようなメリットもあるため、就職エージェントサービスの利用はおすすめです。
絞るのに適切な時期
就活が始まると「早く志望業界を絞らないと手遅れになる」と焦りを感じる就活生もいると思います。そもそも、志望業界はいつまでに絞らないといけないのでしょうか。
結論からいうと、そんなに急ぐ必要はありません。業界を絞る時期はどの業界を志望するかによって異なります。詳しく見ていきましょう。
書類提出の時期までに絞る
業界の絞り込みには、明確な決まりはありません。何を重視したいかが見え始めれば、自然と志望業界も絞られてくるので、まずは業界研究に時間をかけましょう。
焦って、あまり早い段階から絞ると、自分に合った業界を見逃すことになりかねません。
業界研究をしっかり行うことで、その後の行動はスムーズに進みます。どの業界も、書類提出の締め切りまでに絞れば問題ありません。ただし、締め切りの時期は業界によって異なるので注意が必要です。
外資系企業
一般的に、外資系企業は他の業界に比べて、早めに選考が行われることが特徴です。外資系企業は3年生の夏には選考が始まるため、5月ごろには志望業界を固めておきましょう。
たとえば、外資系戦略コンサルは3年生の6月にエントリーが締め切られ、外資系投資銀行では夏のインターンシップが採用に直結します。
外資系企業に興味がある人は、3年生の5月には志望業界を固めることが必要です。
ベンチャー企業
ベンチャー企業は夏のインターンシップが採用に直結することが多く、インターンシップが始まる3年生の7月までには志望業界を絞らなければなりません。
たとえば、サイバーエージェントや楽天などは3年生の7〜8月頃に夏インターンシップのエントリーが締め切られます。
ベンチャー企業に興味がある就活生は、3年生の7月には志望業界を固めましょう。
その他の企業
外資系企業やベンチャー企業を志望しない人は、冬インターンシップにエントリーすることになるので、3年生の9月ごろまでに志望業界を絞りましょう。
企業によっては、冬のインターンシップに参加した人を対象に早期選考をしていることもあります。
このように、インターンシップが選考に直結する企業が増えてきているため、早めに志望業界を絞ることで選択肢が広がりますよ。
まとめ
解説してきたように、就活を効率よく進めるためには絞り込みが重要です。それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらも理解したうえで自分が行動できる範囲で適度に絞り込む必要があります。
選択が間違っていることや、内定がなかなかもらえないこともあるため、志望業界は3つくらいがおすすめです。
最初のうちは無理に絞る必要はなく、業界研究に時間をかけましょう。焦って絞ってしまっても、ミスマッチにつながりかねません。
業界研究を進めていくことで、自分にあった業界が見えてくるので、その時点で絞り込んでいけば十分間に合います。
ポイントは早めに業界研究を始めることです。今回解説してきた絞り方を参考に、自分に合った業界を見つけて就活を成功させましょう。