企業によって、就活の筆記試験の一部として出題される論文ですが、書き方がわからない就活生もいるのではないでしょうか。
自分の書いた文章が上手く伝わっているか不安ですよね。構成や論文を書く時のポイントを知っておくだけ、評価の高い論文を書くことが可能です。
就活生の無料相談支援を行っている「JOBマッチ」を担当している私がこの記事を担当し、本記事では例文を交えながら、高評価を得られる論文の書き方を紹介します。
対策をしっかり行い論文が出題されても、筆記試験を通過できるように学んでいきましょう。
就活論文で企業が見ているポイント
企業は就活論文でどのようなポイントを見ているのか紹介していきます。
基本的な文章能力
就活の論文では基本的な文章能力があるかチェックされています。
就職してからも、メールやプレゼンなど文章力が必要となるシーンがあるため、文章の作成能力に問題がないか判断されます。
あくまで基本的な文章力があるか、という点を見ているので基本さえできてれば問題ありません。もちろん優れた文章力があれば、プラスアルファで評価されることもあります。
根拠が述べられているか
論文は作文とは違い根拠をもとに論理的な思考を述べられているかが重要です。
根拠のない文章や自己PRになっていないかなどをチェックします。理系の人は普段から根拠をもとに研究を進めているため、得意な就活生もいるのではないでしょうか。
例えば「公務員は女性のほうが多いと思う」といった曖昧な文章ではなく「公務員採用試験採用者に占める女性の割合は全体の〇〇だから女性の方が多いと思う」という根拠と共に述べられていると、評価につながります。
説明がわかりやすいか
論文は説明(内容)が簡潔にまとめられていることが重要です。
一つの文章が長すぎないか、冗長になっていないか、要約できているか、といったことができているかが大切です。
一度自分で論文を作成し、大学の先生などに添削してもらうといいでしょう。添削してもらうことで、自分の文章がわかりやすかったのか判別することができます。
基本となる構成の作り方
論文の基本的な構成は「序論」→「本論」→「結論」の3つです。
この基本を守ることで、相手に伝わりやすい内容になります。論文を書く上での基本となるので、しっかり理解していきましょう。
序論(何について話すか述べる)
序論は今から自分が何について話すのか簡単に述べることが大切です。これから話すテーマについて、最初に述べておかないと読者を惹きつけることができません。まずは簡単に結論を述べましょう。
何について話すのかわかれば問題ないので、文章全体に対する10%~20%程度の文章量でまとめてください。
本論(根拠を述べる)
本論は論文のメインパートです。そのため、文章量は全体の60%~80%を意識しましょう。ここでは、序論で述べた内容を、具体的に根拠を示しながら説明します。
本論で重要なポイントは、「具体的」と「根拠」です。「なぜそう思うのか」という点を体験談や数値などを用いて、具体的にわかりやすく説明することが大切です。
例えば「たくさんの人がいる前でスピーチしました」という文章と、「1,000人の前でスピーチしました」という文章では、後者の方がイメージがしやすく伝わり方が異なります。具体的な数値を用いることは、効果的なので覚えておきましょう。
結論(再度意見を主張する)
結論では本論で説明してきた内容を踏まえたうえで、再度自分の意見を主張します。序論と同じように、簡潔にまとめて説明することが大切です。本論でしっかりと説明しているので、一貫性を持たせながら、結論を述べます。
文章全体に対する10%~20%程度の文章量でまとめてください。全体の文章の構成が「1:8:1」を目安に書けることが好ましいです。
序論から結論までの流れを見よう【例文】
実際に序論から結論までの流れを、例文をもとに見ていきましょう。
テーマ:就活におけるあなたの軸はなんですか(400文字以内)
【序論】
私は優秀な人材と共に働ける環境であるかを基準に企業を選んでいる。
【本論】
なぜそう考えているかというと、優秀な人と協力し、競い合うことで自分を成長させ、より大きな成果を残すことができるからだ。大学生のときにゼミを選ぶ際、優秀な教授と生徒がいるゼミを選んだ。教授の指導は厳しかったが、生徒と共に競い合うことで、自分が成長でき、自己肯定感が高くなったと感じている。
特に、卒業するまでに2つの論文を作成できたことは周囲の協力があったからこそだと考えている。ゼミに入った当初は、テーマ内容が難しく、理解することが困難で、ついていくだけで精一杯だった。しかし、優秀な仲間に置いて行かれたくない、というライバル心や、先輩・教授からのサポートもあり、勉強をつづけられ論文を書ききることができた。
【結論】
これらのことから、優秀な人がいる環境下で働くことができれば、様々なことを学び、自分にも活かせると思い、就職活動の軸にしている。
このように「序論」→「本論」→「結論」の流れを意識して書くことで、相手に伝わりやすい内容を構成することができます。
上手く書くための4つのポイント
論文の基本となる構成を理解したあとは、より評価を上げるために上手に書くためのポイントを見ていきましょう。細部にまでこだわって書くことで、高い評価を得られます。
「だ・である」調で書く
論文は「だ・である」調を用いることが基本です。作文とは違い自分の意見を述べる文章であるため、簡潔に言葉をまとめる必要があります。
そのため、「だ・である」調が好ましいです。また文字制限があるので、「ですます」調では語尾が長くなってしまいます。
「だ・である」調か「ですます」調のどちらを使うべきか悩む就活生が多いので、覚えておきましょう。また作文とは違う点も意識しましょう。
指定文字数を意識する
論文には必ずと言っていいほど指定文字数があります。
指定文字数がある場合は、指定文字数の9割以上を書くことが基本です。文字数が少なすぎたり、超えてしまったりしないように意識しましょう。
「〇字以内」、「〇字程度」、「〇字以上〇字以内」といった指定があるので、その指定に沿った文字数で書かなければいけません。
「〇字程度」の程度が何文字くらいになるのか、というと1割を目安にしてください。「800文字程度」であれば、「720~880文字」です。
また、文字数が足りないからといって、不要な文字を並べることをしてはいけません。
例えば「できないこともない」という言葉であれば、「できる」と表現できます。就活生にありがちなミスなので気をつけましょう。
便利な文章構成法を覚えておく
「~だろうか」という問題提起から繋がる文章構成法である「たしなよ」を覚えておくと便利です。「たしなよ」というのは以下の通りです。
- 「た」:たしかに~ ⇒ 反対意見への理解する
- 「し」:しかし~ ⇒ 自分の意見を主張する
- 「な」:なぜなら~ ⇒ 主張する理由を説明
- 「よ」:よって~ ⇒ 結論を述べる
「たしなよ」を活用して文章を構成すると、読者の共感を得られやすい文章になるので、高評価を狙えます。この構成法を使用することで、作文ではなく論文に近い文章に変わるので、就活生は意識してみましょう。
誤字脱字がないかチェックする
どれだけ素晴らしい内容が書かれていても、誤字脱字の多い文章は評価を得られません。
「注意力がない」、「おおざっぱ」、「適当な人」と思われてしまい悪い印象を与えてしまいます。就活生にとって印象が重要であるため、注意しましょう。
文章を書き終えた後に、誤字脱字がないかチェックしましょう。
ポイントとしては、最後にまとめてチェックするのではなく、段落ごとや構成ごとに見ておくと誤字脱字を大幅に防げます。
就活の論文に出題されやすいテーマ
就活の論文に出題されやすいテーマを事前に知っておくことで、対策ができるためどのようなテーマが出題されやすいか見ておきましょう。
将来(未来)についてのテーマ
- どのような社会人を目指したいですか
- 将来の夢は
- 入社して成し遂げたい目標は
- 10年後の自分はどうなっていたいですか
- 将来取得してみたい資格は
過去についてのテーマ
- これまでに最も努力したことは
- 自分が今までで最も成長したと感じた出来事は
- 今までで一番感動したことは
- 学生生活で得たものは
- 就活で苦労した経験は
- これまでに挫折した経験はあるか、また失敗をどのように乗り越えたか
志望する企業についてのテーマ
- やってみたい仕事は
- 営業職で大事だと思うスキルは
- 〇〇株式会社で働く上で最も必要な力は
- 商品の売り上げを上げるために必要なことは
- 〇〇業界の課題とは何か
- 会社があなたに求めることは
社会情勢についてのテーマ
- 少子高齢化社会を打開するにはどうすればいいか
- 人権問題についてあなたはどう思いますか
- 最近の気になるニュースは
- 「企業の労働力不足」とはどういうことか
- 今気になっている社会問題について、自分なりの考えをまとめてください
- 最近読んだ本について、そこから何を得ましたか
まとめ
就活の論文は、構成や書き方のポイントを理解すれば、簡単に対策することができます。
作文や学術論文とは書き方が違うので、就活論文の書き方を学ぶことが大切です。
また、事前にどんなテーマが出題されやすいか、知っておくことで対策を練ることができます。初めてみるテーマであっても、似た内容のテーマを練習していればスムーズに書くことが可能です。
本記事で学んだことを活かし対策すれば、筆記試験で有利になり就活をうまく進められることでしょう。
ぜひ参考にしてもらい、就活の論文の書き方をマスターしましょう。