就活に欠かすことのできない書類といえば履歴書。就活の履歴書では名前や生年月日、学歴などを記載して、企業に提出しますが、資格欄も忘れずに記入しなければなりません。
この資格欄について書き方のマナーや面接時に印象よく見られるポイントがあるのを知っていましたか?
今回は、新卒の就活生へ向けた求人紹介エージェントの「JOBマッチ」を担当する私が、履歴書の資格欄の正しい書き方について解説します。
就活時に提出する履歴書に書くべき資格一覧や、反対に書かなくてもいい資格についても紹介しているので、本記事を参考にしてみてください。
就活における履歴書の資格欄の書き方
就活で提出する履歴書の資格欄について、どう記入すればいいのか分からない人も多いでしょう。以下では就活における履歴書の資格欄を書く際のポイントや正しいマナーについて解説します。
取得した順番に記入する
資格欄は、免許や資格を取得した順番に記載しましょう。
受験した日や証明書が届いた日ではありません。取得日については証明書や合格証に記されています。記入ミスしないよう、取得日を順番通りに整理しておくと安心です。
取得した順に記入することで、面接官側に成長の様子が伝わるメリットがあります。
略さず正式名称を使う
資格名は略さず正式名称を使いましょう。「英検2級」「漢検1級」などはNGです。
英検の正しい名称は「実用英語技能検定」、漢検は「日本漢字能力検定」となります。FPのような略名の方が世間的に浸透している場合も「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」とします。
西暦or元号を統一させる
取得年月日の取得年は西暦もしくは元号で統一させましょう。
また、資格欄に限った話ではなく、学歴・職歴欄のような他の項目とも合わせるようにします。いずれかが混同していると面接官が時系列の様子を把握しにくくなるからです。
西暦か元号を履歴書内で統一できていれば、どちらを使用しても問題ありません。
資格欄の書き方の例
上記のことを踏まえた上で、資格欄の書き方の例を紹介します。以下を参考に面接官に伝わりやすい資格欄に仕上げましょう。
年 | 月 | 免許・資格 |
2020 | 2 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
2021 | 7 | 実用英語技能検定1級 合格 |
2022 | 6 | 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格 |
就活の履歴書に書くべき資格と書かなくてもいい資格
就活の履歴書には書くべき資格と書かなくてもいい資格があります。以下では、就活の履歴書で書くべき資格一覧と書かなくてもいい資格について解説します。
就活の履歴書に書くべき資格一覧
中学・高校時代から複数の資格取得に励んできた人の場合、書ける資格が多すぎて、資格欄が足りなくなる恐れがあります。
その際は、就活の履歴書に書くべき資格をピックアップして記載するのがポイントです。
書いた方が面接官の印象が良くなる資格は以下の通りです。
- 国家資格
- 普通自動車免許
- 語学系の資格
- パソコン系の資格
- 求人に記載のある必須資格
例えば、国家資格であれば看護師免許や電気工事士、ファイナンシャルプランナーなどがあります。
また、営業のような移動に車を使う企業なら普通自動車免許の資格は書くべきでしょう。パソコン系の資格は事務職のイメージが強いですが、近年では職種問わず使うシーンが多いため、業界や職種に限らず書いた方が有利に働きます。
以下では「就活に有利な資格・検定10選」「業界別、企業受けの良い資格」について記事内で解説しています。こちらの記事も参考にしてみてください。
就活の履歴書に書かなくてもいい資格とは?
取得した資格や免許は可能な限り記入した方がいいですが、仕事内容に関係のない資格は書かなくてもいいとされています。
極端な話ですが、事務職を志望している人が保育士の資格を記入しても、就活の選考が有利に働くとは限りません。保育業界の就職や転職には役立つかもしれませんが、仕事内容に関連のない資格はかかなくてもOKです。
履歴書に資格を書く際の注意点
就活の履歴書の資格欄に記入する際は、いくつか注意すべきポイントがあります。以下では、履歴書に資格を書く際の注意点を解説します。
資格がない場合「特になし」と記入する
就活の履歴書に書ける資格がない場合、資格欄は「特になし」で構いません。
ただし、資格欄は面接官へのアピールにもなるため、勉強中の資格は「〇〇の資格取得を目指して勉強中」と記入しましょう。
結果待ちの場合も同様に勉強中、もしくは取得予定とします。また、新卒採用で教員免許を未取得であれば取得見込みと記載し、取得年月は大学卒業見込み年月で問題ありません。
仕事に活かせる資格をアピールする
取得した資格や免許を片っ端から記載するのではなく、仕事に活かせる資格をアピールしましょう。
仕事に活かせる資格であれば志望動機としても活用できます。経理の仕事に興味があるから簿記資格を取得した、TOEIC700点のスコアを活かしてグローバルに活躍したいなど、面接時にアピールできるでしょう。
難易度が低い資格は記入しない
書ける資格があるのはいいことですが、難易度が低い資格は記入しない方が無難です。
例えば、英検や漢検のような級でレベルが分かれている資格は要注意。何級から書けるかと問われれば、企業が望むスキルにもよるため一概には言えません。
ただ、英検や漢検なら2級以上が履歴書に書けるラインです。
もちろん、3級でも書いても構いませんが、採用に有利に働く可能性は低いので、過度に期待しない方がいいでしょう。
資格欄でよくある5つの疑問
以下では、履歴書の資格欄記入についてよくある疑問を5つまとめてみました。履歴書を書く前に確認しておきましょう。
勉強中の資格を書いてもOK?
勉強中の資格を履歴書に書くのはOKです。
取得予定や結果待ちの資格も積極的に記入しましょう。面接官に向上心の高さをアピールできます。「〇〇の資格取得に向けて勉強中」と未取得であることを記載します。
教員免許の取得見込みの場合「高等学校教諭一種免許状(数学) 取得見込み」と記入しましょう。
運転免許はあるけどペーパードライバーの場合は?
ペーパードライバーでも運転免許を持っていることに変わりはないので、資格欄に記入して構いません。
ただし、業務内容に運転が含まれていれば、入社までに練習しておく必要があるでしょう。
面接官は見ただけではその人がペーパードライバーか判断できず、資格欄に記載されている時点で運転に問題ないと思ってしまうからです。
書道の段位は資格に書ける?
書写技能検定のような文部科学省後援資格は資格欄に記入できます。
しかし、書道教室が定める段位は教室によって基準が異なるため、資格欄に記入しない方がいいでしょう。履歴書に書くとすれば特技欄でアピールするのが無難です。
趣味で取った資格を書いてもOK?
趣味の色合いが強い資格は書くべきではありません。
就活における履歴書の資格欄に記入すべきか迷ったら、仕事内容に関連あるかどうかで判断しましょう。
ただし、スポーツインストラクターや野菜ソムリエ、世界遺産検定のような資格は会話のきっかけになることもあるため、特技欄に記入するのをおすすめします。
資格や免許で嘘を付くとどうなる?
当然のことながら取得していない資格を取得したかのように記載するのはNGです。
書くだけならバレないだろうと思うかもしれませんが、面接で資格や免許の合格証明書を求められるケースは少なくありません。記入したものの、証明書が手元にないとなると、採用に不利になることは言うまでもないでしょう。
仮に面接の場を上手くくぐり抜けられたとしても、入社後に嘘が発覚してしまうこともあります。
その際は経歴詐称で懲戒解雇のような重い処分を受ける場合も。社会的信用を失ってしまうので、資格欄で嘘を書くのは絶対に止めましょう。
まとめ
就活で提出する履歴書の資格欄は正しく記入しましょう。面倒に感じるかもしれませんが、取得した順番に記入する、資格名は正式名称を使う、西暦・元号を統一し、丁寧にまとめていくのがポイントです。
履歴書の資格欄は、就活だけではなく転職の際も記入するため、書くことに慣れておくといいでしょう。
資格欄を嘘偽りなく正しく記入することで、あなた自身の人となりが面接官に伝わります。