「あなたの就活の軸を聞かせてください」
この質問はESの記入欄にあり、企業面接でも高い確率で聞かれる内容です。そのため、就職活動を行う際には自己分析などで自分の強みを見つけ、就活の軸を明確にしておく必要があります。
しかし、IT業界を志望している場合、どのような就活の軸にするのがベストなのでしょうか。
今回は、新卒の就活生を対象に求人紹介を行なっている「JOBマッチ」を担当する私が、IT業界志望者の就活の軸の考え方を詳しく解説します。
注意すべきポイントや面接・ESで使える回答の例文も紹介しますので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
IT業界の就活の軸の考え方
IT業界=理系のイメージですが、近年では文系もIT業界を目指す人が多く、求人倍率は増加傾向にあります。他の就活生に差を付けるなら就活の軸をしっかりと定めておくのが大切です。
以下では、IT業界の就活の考え方について解説します。
- IT業界を理解する
- IT業界で何をしたいか考える
- IT業界の志望理由を明確にする
IT業界を理解する
IT業界といっても内容はさまざまです。「時代の最先端っぽくてカッコいいから」「需要が高く安定していそうだから」など、ぼんやりとした就活の軸を設定するのは好ましくありません。
IT業界はGoogleのような有名企業をはじめ、スタートしたばかりのベンチャー企業などもあります。職種もシステム運用やインフラエンジニア、製品開発、社内SE、プログラマー、ITコンサルタントなど、企業によって異なります。
今やIT技術なくして世の中は回りません。企業や職種が広くて深い世界である分、IT業界を理解したうえで就活の軸を考える必要があります。
IT業界で何をしたいか考える
IT業界のことを理解したら、次はIT業界で何をしたいか考えましょう。
「プログラム開発がしたい」「ITサービスを広める営業に就きたい」など、やりたいことは人それぞれ。単にIT業界で働きたい熱意を語るだけではなく、入社後に何がしたいか具体的に説明するのも大事なポイントです。
企業が求めている人物像が募集要項や会社HPに記載されているので、公表している情報と自分の強みを比べながら、就活の軸を定めていきましょう。
IT業界の志望理由を明確にする
IT業界でなくてはならない理由を明確にするのも、就活の軸を考えるうえでは大切です。
世の中にはIT業界以外に多くの仕事があります。
配送や介護、営業、医療、販売、広告など選択肢が複数ある中で、IT業界を選んだ理由を明確にしておきましょう。
面接官の中には「IT業界でなくてもいいのでは?」と少々意地悪にも取れる質問をしてくる人もいます。そのような質問にも立ち向かえるよう、対策を練るのが就活の極意です。
面接での回答を作成する際に注意したいこと
就活の軸についてはESだけではなく、企業面接でも聞かれる質問の一つです。以下では、面接での答え方で注意したいことを解説するので参考にしてみてください。
- 給与や待遇中心の軸はNG
- 志望動機との一貫性を持たせる
- 他の業界でも使える軸は控える
給与や待遇中心の軸はNG
給料や待遇は働くうえで大事なポイントです。「年収500万以上」「光熱費無料の寮付き」など、厚待遇を求めるのは悪いことではありません。
ただ、給与や待遇中心の就活の軸はNGです。個人的な願望を素直にさらけ出してしまうと、面接官から悪い意味で印象に残ってしまいます。
確かにIT業界は年収が高いイメージですが、魅力なのは年収だけではありません。
自分が成長できる環境か、仕事内容は自分が希望する内容かなど、長く働ける企業かを見極めて就活の軸を設定しましょう。
志望動機との一貫性を持たせる
就活の軸について答える際、志望動機との一貫性を持たせましょう。
志望動機と関連のある答え方ができれば面接官からも高い評価を得られるはずです。
ただし、双方同じ文章にするのは厳禁。就活の軸は自分が就職活動をするうえで譲れない条件のこと。志望動機は自分が企業を志望した理由を具体的に述べることです。
就活の軸は自分に合う企業を見つけるための方向性であり、延長線上に志望する企業があると考えられます。
そのため、志望動機との一貫性を持たせれば「就活の軸を定めて御社のことを調べたうえで応募しました」と企業にアピールできます。
他の業界でも使える軸は控える
就活の軸を作成するのは大変な作業ですが、他の業界でも使える軸は控えましょう。
例えば、「チームワークを大切にできる環境で働きたい」、この内容自体は問題ありませんが「IT業界にこだわる必要はないのでは…」と思われてしまいます。
IT業界への熱意を伝えるなら「御社でインターンシップに参加した際にチームワークの良さに感銘を受けました」など、プラスアルファの理由を付け加えましょう。
【例文あり】IT業界志望者が使える就活の軸一覧
ESや企業面接で使える就活の軸一覧を紹介します。例文として具体的な答え方も解説付きで紹介しますので参考にしてみてください。
IT業界志望者が使える就活の軸一覧
IT業界志望者が使える就活の軸を一覧でまとめました。自己分析などで自分の強みを見つけ出し、企業が求める人物像と照らし合わせながら就活の軸を定めましょう。
- 人々の便利で豊かな生活を支えたい
- 新しいサービスを世の中に発信したい
- IT技術で顧客の悩みを解決したい
- ものづくりに携わりたい
- セキュリティ対策に関わりたい
- 最新の技術を学びながら成長したい
- 自分が得意とするIT分野を活かしたい
- 研修制度が充実している会社で働きたい
- 将来は独立して自分の会社を作りたい
- 幅広い業界の人と信頼関係を構築したい
- IT業界志望者が使える就活の軸の例文①新しいサービスを世の中に発信したい
私の就職の軸はIT技術で新しいサービスを世の中に発信することです。
パソコンやスマホを開けば便利なサイトやアプリで溢れています。生活もどんどん便利になっていますが、私はまだまだ改良の余地があるのではと思います。
数あるIT企業の中でも御社はアプリの改良や開発に入れていると聞き、私も世の中に新しいサービスを発信していきたいと考えています。
IT業界は日々進化を遂げており、ちょっとしたアイデアが流行することも多々あります。
面接で「あなたが考えているアイデアはありますか?」と聞かれるかもしれません。
IT業界志望者が使える就活の軸の例文②IT技術で顧客の悩みを解決したい
私はIT技術で顧客の悩みを解決することを就活の軸にしています。
興味があるのはSNSを活用した集客です。実際にSNSを使って売上を伸ばしている店舗は多くあります。私もSNSで行きたいお店を選ぶことがよくあるため、顧客目線でSNSを活用しながらクライアント様の集客サポートを行いたいです。
IT技術は世の中を便利にするだけではありません。
誰もが手軽に活用しているSNSが店舗の集客や売上増加に繋がることもあります。
自分自身もSNS利用者であり、顧客目線でクライアントの役に立てるのではという熱意が伝わりやすい就活の軸になっています。
IT業界志望者が使える就活の軸の例文③最新の技術を学びながら成長したい
私の就活の軸は最新の技術を学びながら成長することです。
高校生の時にプログラミングに興味を持ち、実際に大学では本格的にプログラミングを学んでいます。プログラミングは面白いだけではなく奥深い世界だと思っており、社会人になってからも技術を活かせる分野に携わっていたいと考えています。
御社は最新の技術や設備を常時取り入れ、技術者向けの研修や勉強会も盛んだと伺っています。今あるプログラミングのスキルを活かしながら、さらなる成長を目指していく所存です。
プログラミングに興味があるだけではなく、今後も成長したい意欲が伝わる就活の軸になっています。
志望する企業がどんなことに力を入れているのか、しっかりリサーチできている点も高評価に繋がりやすいでしょう。
記事まとめ
今回はIT業界の就活の軸について解説しました。
IT業界は技術の進歩が目覚ましく、新しいサービスが次々と生まれる分野です。近年では理系だけではなく文系からの人気が高まっており、就職活動では他の学生に差をつけることがカギとなってきます。
特にESや面接で聞かれる確率の高い就活の軸においては、自己分析や企業研究をしっかりと行うのが大切です。面接官に良い印象を与えることができれば、高い確率で選考を突破できるでしょう。
就活の軸づくりについて詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。
魅力的な就活の軸づくりに役立つヒントが多数掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。