新卒就活生が就活を進める中で必ず作成する履歴書ですが、実際にアルバイトの面接を受ける際に簡単な履歴書を作成したことはあっても、就活の履歴書のような内容が盛りだくさんのものを書いたことがあるという方はまだ多くはないのでしょうか。
今回は、新卒の方へ向けた求人紹介エージェントの「JOBマッチ」を担当する私が、新卒就活生に向けて履歴書の書き方やマナー、書き方のポイントを解説します。他の就活生の履歴書と差をつけるためにも、是非参考にしてください。
就活における履歴書の重要性
まず始めに、新卒就活で履歴書が必要とされる理由を理解しましょう。企業が履歴書を求める理由を理解することによって、盛り込むべき内容が見えてきます。
選考の初期段階で印象を決める
多くの企業は就活の選考フローの初期段階で履歴書の提出を求め、一次選考が書類とWebテストのみという企業も多く存在します。
直接顔を合わせることなく、履歴書の内容が一次選考の合否に大きく関わってくる場合もあるので注意が必要です。
履歴書はES(エントリーシート)と違い、主に学歴や過去の実績、スキルなどを記載し、志望動機や自己PRの欄は比較的限られているのが一般的です。伝えたい内容をしっかり要約して書き込みましょう。
入社後も保管される重要書類の1つ
履歴書は入社後も配属先を決める時に内部で使用されるなど、重要な資料として取り扱われます。
また、履歴書は公的書類に該当するため、記載内容に嘘や虚偽が無いようにしなければなりません。不正が発覚すれば、内定取り消しや解雇の原因となります。
就活生が押さえたい履歴書の正しい書き方
ここからは、新卒就活における履歴書の正しい書き方を解説します。以下を参考に正しく記入してみましょう。
基本情報
一般に履歴書の基本情報は以下の項目があります。
日付 |
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氏名 |
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印鑑 |
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生年月日 |
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住所 |
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電話番号 |
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メール
アドレス |
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写真
写真も就活生の印象を左右します。以下の項目をチェックしましょう。
- 写真のサイズは縦36〜40㎜×横24〜30㎜。(履歴書に記載されているサイズに合わせる)
- スタジオなどで3ヶ月以内に撮影された写真。(スマホ撮影NG)
- 写真の裏に「氏名+大学名」を記名する。(剥がれてしまった時のため)
- 写真は両面テープでしっかり接着する。(のりはふやけたり粘着力が弱いため)
- Webデータとして写真を提出する場合には、形式やサイズに気をつけて貼り付ける。
以下の記事では、「就活の履歴書写真の撮影方法と服装・表情のポイント」について解説しています。合わせて参考にしてみてください。
学歴・職歴
学歴
- 日付と生年月日同様に元号または西暦のどちらかに統一しましょう。
- 新卒就活の場合、基本的には中学校卒業から記入します。
- 学校名や学部学科に関しては、略さずに正式名称で記載するようにし、「卒業見込み」と表記するのも忘れないでおきましょう。
- 学校名の記入の後、一文字程度の間隔をあけて、「入学、卒業、卒業見込み」と記入します。
職歴
- アルバイトの経験などは記載する必要がないため、新卒の就活生は職務経歴は記入不要です。
- 左詰めで「なし」と記入し、一段下に右詰めで「以上」と記入してください。
免許・資格
免許・資格欄は企業に自分のスキルをアピールする欄に使用できます。なお、資格は正式名称で記載することと、資格を取得した時期を正確に書きましょう。
もし、現在資格取得のために勉強中のもので、企業が求める免許や資格に該当するものがある場合には、資格名を記載のうえ「〇〇取得予定」と、学習を進めていることをアピールするのも一つの方法です。
資格を記載する場合には、応募企業と全く関係ない資格は記載せず、応募する企業と関連性のある資格を書くようにしましょう。
趣味・特技
趣味・特技に関しては、面接の場で就活生とのアイスブレイクのネタとして使用することも多い項目です。
基本的には、ありのままの自分の趣味・特技を記入するので問題ありません。
もし、自分の資格やスキルにつながるような趣味・特技があるのであれば、一つのアピールになるので、記入するのをおすすめします。
志望動機
志望動機は、企業が履歴書を見る中で最も注目しているポイントの一つです。
就活の志望動機は企業ごとに変えて作り上げていく必要がありますし、逆に他の企業にも使いまわしのできるような内容であれば、企業側にとって魅力的に映りません。
応募する企業でなければならない自分ならではの理由を枠内に収まるように記入しましょう。
以下の記事では「就活の志望動機の書き方のコツ」を紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
自己PR
就活の自己PRに関して、ベースとなる部分は基本的にどの企業に対する履歴書であっても変わりません。
しかし、各企業が求める人物像に合致するような自分の長所があれば、それを最優先させて書き進めていくのをおすすめします。
志望動機のように企業ごとに内容を変えるということではなく、企業ごとにアピールの側面を合わせていくというイメージです。
以下の記事では「就活の自己PRの効果的な書き方」を紹介しています。是非参考にしてみてください。
【事前チェック】記入時のNG行為5選
新卒就活において履歴書は正式な書類であり、採用担当者は正しい情報が書かれているかどうかを確認しています。思わぬミスをして選考落ちをしてしまわないよう、自分の履歴書を今一度確認しましょう。
NG行為①ボールペン以外で書く
就活の履歴書のような正式な書類は、鉛筆やシャープペンシルで書くのはマナー違反です。最近は消えるボールペンなどもありますが、こちらも避けてください。
就活の履歴書は必ず黒のボールペンで記入しましょう。尚、文字数が多くなることから、0.5ミリ以下の細めのゲルインクボールペンが書きやすくかつ見やすいためおすすめです。
NG行為②修正ペンは使わない
手書きで記入することから、間違ってしまった場合は修正ペンを使って訂正したくなるものですが、正式な書類である履歴書には修正ペンは使用してはいけません。
厚生労働省が公表する「履歴書作成の基本」においても、間違った場合には修正液・修正テープ、二重線などを用いた修正は避け、最初から手書きで書き直す必要があると記載されています。
改ざんや隠蔽を疑われないためにも、間違えてしまった場合には手間を惜しまず、改めて正しい履歴書を作成してください。
NG行為③空欄がある
就活において履歴書は自分の情報をアピールする重要な書類ですが、職歴や資格、免許などの欄には、何も書くことがない就活生もいるのではないでしょうか。
特に記入することがなくても、空欄で提出することはNGです。採用担当者に記入漏れだと思われてしまう可能性があるので、書くことがない場合には「なし」「特になし」と記入するようにしましょう。
NG行為④誤字脱字がある
誤字脱字があると、採用担当者によっては「入社意欲が低い」「ミスが多く、雑な人柄である」というイメージを持たれてしまう場合があります。
また、誤字脱字があった後の文章を読んでくれない可能性もあります。
新卒就活での履歴書を記入する際に、誤字脱字を防ぐためには無理して難しい言葉を使わず、普段使い慣れている言葉でまとめましょう。漢字や送り仮名についても間違いがないよう、要チェックです。
NG行為⑤略語を使っている
新卒の就活の場において略語を使うことは適切ではありません。正しい言葉遣いでアピールしましょう。
- バイト→アルバイト
- 部活→部活動
- インターン→インターンシップ
- 就活→就職活動
- 合説→合同説明会
【差をつけるポイント】コピーを取っておく
新卒就活で企業に提出する履歴書は必ずコピーを取っておきましょう。そして、面接に参加する際には事前に改めて目を通して、書いたことを再確認するようにしてください。
たくさんの企業に履歴書を出すという就活生がほとんどだと思います。
数を重ねると、記憶も曖昧になってくるもので、いざ面接官から質問されても、履歴書に何を書いたのか忘れてしまうなんて言うこともあり得ます。
自分で書いたことをしっかりと把握し、自信をもって回答できるように準備しておくことも、就活面接を受ける上でのマナーと言えるでしょう。
就活で履歴書を提出する際のマナー
ここでは新卒就活の履歴書を提出する際に押さえておきたいマナーを紹介します。しっかりと理解して、他の就活生と差をつけましょう。
①郵送するときのマナー
就活の履歴書を郵送する場合は、封筒の正しい書き方を知っておく必要があります。
封筒の書き方
- 提出先の企業の住所を都道府県から正式名称に記入する。(株)などの略字はNGです。
- 宛先には社名、担当部署、分かる場合には担当者名を記入する。(担当部署で終わる場合には「御中」、担当者名で終わるに場合は「様」と記入する)
- 封筒の表面左下に赤字で「応募書類在中」と記入する。
- 封筒の裏面左下に自分の住所、氏名を記入
郵送時のマナー
- 封筒は履歴書を折らずに済むサイズのものを選ぶ
- 万が一濡れてしまっても大丈夫なように、履歴書をクリアファイルに挟んで封筒に入れる
- テープではなく、のりで止め、〆印をつける
- 期限を確認する。(○日必着なのか、当日消印有効なのかなど)
- 郵便料金を確認する。(参考サイト:日本郵便料金表)
②メールで送るときのマナー
メール送付の場合には、簡単な文章を添えて送る必要がありますので、以下をよく確認しましょう。
メールマナー
- 件名、本文は担当者が一目で理解しやすいように簡潔にする。
- 件名は「履歴書送付の件(大学名+氏名)」を記載する。
- 本文には、宛先、挨拶、内容(履歴書送付の旨)、締め、署名を記載する。
- 履歴書のファイル名は「履歴書+大学名+氏名.pdf」など、採用担当者が分かりやすいファイル名にする。
ファイル形式はPDFかWordで送るのが一般的ですが、PDFであれば内容が変更されるリスクはなくなるのでおすすめです。PDFで送付する際は印刷時のレイアウトも確認した上で送付するようにしましょう。
PDF形式にする場合であればjis規格に準拠した履歴書のテンプレートを使うのがおすすめです。
履歴書をメールで送る際の例文
件名:履歴書送付の件(〇〇大学・山田太郎)
本文:
株式会社 〇〇コーポレーション
△△部 ◆◆課
〇〇〇〇様(担当者名がわからない場合には「採用ご担当者様」)
お世話になっております。
〇〇大学◇◇学部●●学科の山田太郎と申します。
先日ご依頼いただいた履歴書を、本メールの添付ファイルにてお送りいたします。
お手数をお掛けいたしますが、ご確認の程よろしくお願いいたします。
添付ファイル:履歴書_山田太郎.pdf
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山田太郎
〇〇大学◇◇学部●●学科
yamada.taro@mm.ne.jp
012-345-678
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③手渡しするときのマナー
最近では、新卒就活で履歴書を手渡しする機会は減ってきていますが、最終面接前に履歴書を持参するという場面もあります。面接に集中するためにも、手渡しの際のマナーを理解し、不安を払拭しましょう。
手渡しの際のマナー
- 郵送の時と同様に、汚れたり濡れたりするのを防ぐため、履歴書をクリアファイルに挟んで封筒に入れる。
- 封筒の裏面左上に持参日を記入する。(履歴書に記入する日付と同日でOK)
- 持参日は縦書きで漢数字で記入。(履歴書と同様に元号または西暦のどちらかに統一する)
- 面接官に直接手渡しする際には、封筒からクリアファイルごと出し、封筒を下に添えて面接官が文字を読める向きで両手で渡す。
- 受付に手渡しする際には、封筒に入れたまま、相手が文字を読める向きで両手で渡す。
言葉遣いに注意!
履歴書を手渡しする際には、丁寧な言葉遣いで対応しましょう。
手渡しする相手が面接官かどうかに関わらず、「こちらが私の履歴書です。よろしくお願いいたします。」と一言添えて渡してください。
よくある質問
就活の履歴書はどこで買う?
基本的には市販されている履歴書で問題ありません。
ただ、誤字脱字による書き直しなどを考慮すると、マイナビやリクナビなどがネット上で提供している履歴書のテンプレートをダウンロードして自宅のプリンターやコンビニで印刷するのをおすすめします。
Wordなどで記入してもOK?
企業から手書きの指定がなければ、パソコンで作成してもOKです。応募する企業の採用サイトなどをよく確認してから履歴書作成を行いましょう。
提出する際には、.pdfや.wordなどの正しいフォーマットになっているのか、正しく出力されるかを確認しましょう。
メールで送る際にはスキャンしたものでも大丈夫?
特に指定がなければ、スキャンしたものをメールに添付して問題ありません。
就活で手書きの履歴書をスキャンして送ることは、手書きならではの温かさがある一方、正しくスキャンしなければ採用担当者にアピールポイントが伝わらないという欠点があります。
メールを送信する前に、履歴書の文字や写真が鮮明に写っているかどうかを確認しましょう。
まとめ
新卒の就活において履歴書は、顔を直接会わせずとも企業と就活生が初めてつながる大事なツールです。ここで抱いた印象が、その後の選考を左右することも十分にあり得ます。
あなたの入社熱意は字体にも表れます。それぞれの企業に心を込めて書くことを意識して履歴書を記入し、就活を成功させましょう!