「あなたの長所を教えてください」これは就活の面接の自己PRの中で必ずと言っていいほど聞かれる質問のひとつです。
多くの企業が就活生に素直さを求めていますが、素直さを長所や強みとしてアピールしたい場合はどのように伝えるのがベストなのでしょうか。
今回は、新卒の就活生へ向けた求人紹介エージェントの「JOBマッチ」を担当する私が、就活で素直さを長所としてアピールするポイントを紹介します。
他にも長所のNG表現、さらにESや履歴書で使える例文も記事内で解説しますので、長所や強みを考える際の参考にしてみてください。
素直な性格を長所に持つ人の特徴
素直な性格を長所に持つ人の特徴は以下の通りです。
- 他人の意見を柔軟に受け入れられる
- 前向きで謙虚
- 欠点や失敗など反省点を吸収できる
他人の意見を柔軟に受け入れられる
素直な人は他人の意見を柔軟に受け入れることができます。「ここはこうした方がいい」「こうすると効率が上がる」という周りからの意見を柔軟に吸収します。
そもそも新入社員は経験や知識が乏しくて当たり前です。変に見栄を張らず、周りの意見を受け入れながら成長できる素直さが大切です。そのような意味でも柔軟性に優れた素直な人材は就活で高い評価を得られることでしょう。
前向きで謙虚
前向きで謙虚なのも素直な人に見られる特徴のひとつです。
企業が新入社員に求めるのは高いスキルでも、豊富な知識でもありません。前向きで謙虚な姿勢です。
仕事に対して前向きで謙虚であることは、成長のスピードを早めます。
ミスをしても、先輩や上司から注意を受けても「次は頑張ります」と前向きで謙虚でいられる人は重宝されるでしょう。
欠点や失敗など反省点を吸収できる
素直な人は、欠点や失敗などの反省点を吸収できます。
例えば、自分が失敗したときに逃げ出したり言い訳をしたりする人は少なくありません。
そのような人は、周りから期待されず、せっかく与えられた成長のチャンスを逃してしまうのです。
対して素直な人は欠点や失敗も正面からしっかり向き合い、周りのアドバイスを吸収できます。
企業側としては「自分は悪くない」とミスを認めない人より、「すみませんでした。次回は気を付けます」と非を認められる人に仕事を教えたくなるでしょう。
素直な性格を就活の長所として書くときの注意点
就活で素直な性格を長所としてESや面接で書く場合は、以下の点に注意しましょう。
- 素直さをどう生かすかアピールする
- 受け身と思われないようにする
- エピソード内で他の言葉に言い換える
- 素直さによるデメリットは短所で伝える
素直さをどう生かすかアピールする
就活で長所を書く際のポイントは、素直さを入社後にどう活かせるか上手にアピールすることです。
企業の面接官は就活生の長所や強みなどの自己PRを見て、入社後どのように活躍してくれるかを想像します。自分の持つ素直な性格を企業がどう評価するかがカギとなるでしょう。
例えば「入社後も周りの意見を素直に吸収しながら成長できるよう務めます」とすることで、高評価につながりやすくなります。
受け身と思われないようにする
長所や強みとして素直さは「人の意見を受けいれられる」「柔軟に対応できる」特徴がある一方で、受動的な印象になりがちです。
アピール方法を間違えてしまうと「この人は主体性がない」と企業側から捉えられかねません。
「人の意見は最初に聞くようにし、自分の意見も伝えるようにしている」とすれば、主体性も同時にアピールできるでしょう。
エピソード内で他の言葉に言い換える
「私は素直な性格が長所です」と終わらせてしまうと企業側からすると今ひとつの印象です。
そもそも「素直さ」は汎用性が高く、思い付きで長所として挙げただけではと企業から捉えられてしまう恐れもあります。
就活の自己PRでは素直さに関連する具体的なエピソードを盛り込みましょう。素直な人柄が伝わるエピソードがあれば説得力が増して、企業からの評価も高くなります。
また、エピソードの中で「素直」を別の言葉に言い換えてみるのもおすすめです。
例えば「裏表がない」「失敗を次に活かせる」「人の話を聞くのが得意」などに結びつくエピソードがあれば、より効果的です。
素直さによるデメリットは短所で伝える
素直さによるデメリットは長所ではなく短所で伝えるのも就活ではおすすめの方法です。
素直であることは良い面ばかりではなく、裏目に出ることもあります。それが仕事であればリカバリーしなければなりません。
例えば「素直さゆえにすぐ人を信用してしまう」のような短所は「第三者の意見も聞くようにしている」とすれば短所をカバーでき、長所である素直さも引き立ちます。
素直な性格を長所とする際のNG表現
就活で素直な性格を長所とする場合、NGといわれている表現方法もあります。以下の2点に注意しましょう。
- 人の意見に流されやすい
- 融通が利かない
人の意見に流されやすい
素直な人は裏を返せば、人の意見に流されやすく主体性がないと捉えられてしまいます。
人から言われたことを信頼してしまう性格は愛されキャラとして成り立ちますが、ビジネスの場では注意が必要です。
素直な性格を長所とする場合、間違えていると思うことは自分の意見を言えるなど、流されない自分もアピールしましょう。
融通が利かない
素直な人は融通が利かないと思われてしまうことも。一度信じたやり方で行こうと決めたことを貫いてしまうため、周囲から頑固だと捉えられてしまいます。
自分の気持ちに素直になれるのは悪いことではありません。
ただ、企業から融通が利かないと思われないためにも、周りの意見も受け入れながら信じた道を進めるなど、エピソードやアピール表現に気を付けましょう。
就活のESや面接で使える例文3つ
以下では就活のESや面接で使える例文を3つ紹介します。長所の作成方法に悩んでいる人などは、就活対策に活用してみてください。
就活で使える例文①サークル
私の強みは変化を柔軟に受け入れられる素直さです。
大学では英語演劇サークルに所属しています。大学3年生のときにサークル長が引っ越しで辞めてしまい、文化祭を前に私がサークル長を務めることになりました。
部員の管理や事務業務などサークル長の仕事は多く、不安だらけでしたがひとつずつサークル長の仕事に向き合ってきました。
周りのサポートも受けながら、文化祭も乗り切れた経験は私にとって大きな財産です。御社に入社した際も、与えられた仕事を受け入れ、素直さを大切に成長したいと思います。
就活で使える例文②部活動
私の長所は失敗や挫折をバネに成長できる素直さです。
部活動ではテニス部に所属しており、日々練習に打ち込んできました。
しかし、大事な大会前に怪我をしてしまい、試合に出場することができませんでした。とても悔しい思いをしましたが、この挫折を次に活かそうと私は怪我をしていてもできるトレーニングを実践しました。
結果として、無理かもしれないと言われていた半年後の試合に復帰することができました。社会に出るとさまざまな困難や挫折があると思いますが、先輩の力を借りながら成果を上げていく所存です。
就活で使える例文③アルバイト
私は人の意見を聞き入れられる柔軟性が強みです。
コールセンターでアルバイトをしているのですが、あまり周囲から良く思われていないリーダーの先輩がいます。
その先輩の教え方に反発を覚える同期がいる中で、私は先輩のアドバイスで仕事に活かせそうだと思ったことは素直に聞き入れています。実際にアドバイスのおかげで業務の効率化につながったこともありました。
私は誰からのアドバイスではなく、社歴や年齢問わずアドバイスの内容を優先的に取り入れるようにしています。
御社では営業の仕事を志望しています。営業の仕事は一筋縄ではいかない部分も多いと思うので、先輩からのアドバイスを吸収しながら売上に貢献したいです。
まとめ
本記事では、素直な性格を長所や強みでアピールするためのポイントを解説しました。
企業が就活生に求めるのはスキルや経験よりも本人の人柄です。先輩や上司のアドバイスを謙虚に受け止められる姿勢は高評価につながりやすいでしょう。
就活で回答できる魅力的な長所は他にもあります。以下の記事では、その他の長所の回答例や面接での効果的な伝え方を解説しています。
ぜひ参考にしてください。